最近の指標から見る中国経済(2015年9月)~追加金融緩和と公共投資強化により、景気底割れ回避へ~

最近の指標から見る中国経済(2015年9月)~追加金融緩和と公共投資強化により、景気底割れ回避へ~

【ポイント1】景気減速懸念強まる

製造業PMIは3カ月連続低下
■8月の固定資産投資(除く農村部)の前年同月比は前月から低下し、景気の減速懸念が強まりました。さらに、9月の財新製造業PMIが市場予想を下回って低下し、景気減速懸念が一段と強まりました。

■一方、8月の鉱工業生産と小売売上高は、前年同月比の伸びが若干ながら上向きました。住宅価格が前月比上昇する都市数も増加し、住宅市場の底入れがうかがわれ、サービス経済は比較的落ち着いています。

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【ポイント2】金融緩和継続

企業の資金繰りを支援
■8月のマネーサプライ(M2)は前年同月比+13.3%と、4月を底に回復傾向にあり、これまでの金融緩和の効果が表れています。

■中国人民銀行は、昨年11月以降、政策金利を5回、預金準備率を4回引き下げ、金融緩和を続けています。このことが、住宅市場や企業の資金繰りを支援し、サービス業を中心に景気の下支えとなっています。

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【今後の展開】追加金融緩和と公共投資強化により、景気底割れ回避へ

■政府は、景気対策として公共投資を拡大させています。ただし、過去の景気対策が地方政府の債務拡大や非効率な投資を招いた経緯を踏まえ、官民連携(PPP)方式などの効率性を重視した公共投資の拡大を図っています。

■来年から始まる5カ年計画を念頭に、サービス経済の一層の拡大や経済の構造転換加速に向けた具体的な政策が公表されることが期待されます。政府は、追加金融緩和と公共投資強化により、景気底割れ回避を目指すことが見込まれます。

 (2015年9月28日) 

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