「貿易収支」、輸出鈍化で赤字拡大(日本)

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輸出や輸入の動向は、財務省が毎月発表する“貿易統計”で把握することができます。国・地域別や品目別の金額、数量の動向が把握できます。「貿易収支」は、2011年に世界的な景気減速による輸出の減少や震災の影響による燃料輸入の増加などから赤字に転じ、その後2014年まで赤字が拡大しました。2015年は原油安などから赤字の縮小が期待されます。

【ポイント1】「貿易収支」の赤字が拡大

中国、EU向けの輸出が減少
■財務省が17日に発表した8月の“貿易統計”によると、輸出は前年同月比+3.1%の5兆8,815億円、輸入は同▲3.1%の6兆4,511億円となり、「貿易収支」は▲5,697億円の赤字でした。7月(輸出は同+7.6%、輸入は同▲3.2%)より輸出の伸びが鈍化したことを主因に、「貿易収支」の赤字は7月の▲2,684億円から拡大しました。
■輸出を国・地域別に見ると、中国向けは前年同月比▲4.6%と6カ月ぶりに減少し、欧州連合(EU)向けも同▲0.2%と9カ月ぶりに減少しました。一方、米国向けは同+11.1%と伸びたものの前月の同+18.8%からは鈍化し、アジアNIEs(韓国、台湾、香港、シンガポール)向けは同+4.2%と前月と同じ伸びでした。中国の景気減速が輸出鈍化の主な要因と見られます。

【ポイント2】鉄鋼などの輸出が減少

国内生産への影響が懸念
■品目別に見ると、輸出は鉄鋼や金属加工機械、映像機器などが前年同月比マイナスとなり自動車の伸びが鈍化したことなどで、全体の伸びが鈍化しました。輸入は原油安で原油や石油製品などが大きく減少し、8カ月連続の減少となりました。
■輸出の伸びの鈍化が国内生産に影響することが懸念されます。

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【今後の展開】即効性のある景気対策に期待

■7-9月期はマイナス成長の可能性高まる
新興国経済の減速の影響などにより輸出の勢いが鈍化してきたことや消費に足踏み感が見られることなどから7-9月期の実質GDPはマイナス成長となる可能性が高まってきました。

■景気対策に期待
安倍首相は自民党総裁への再選を受け、経済最優先の政権運営を進める考えを表明しました。国内総生産(GDP)600兆円の目標を掲げましたが、公共投資などの景気対策にも期待がかかります。

(2015年9月28日)

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