ギリシャ「総選挙」は与党信認投票(欧州)

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ギリシャの「総選挙」が20日に実施されます。今年1月に、反緊縮財政を公約に掲げて第一党となった急進左派連合は、7月に方針転換し、緊縮財政を受け入れました。公約を反故にしたため、チプラス同党党首は首相を辞任し、国民に信を問うこととしました。世論調査では、急進左派連合が第一党となる可能性が高いものの、単独過半数は難しいとされ、「総選挙」後の連立交渉が注目されます。

【ポイント1】争点はチプラス党首率いる急進左派連合の信認

接戦の予想

■今回の「総選挙」の最大の争点はチプラス党首率いる急進左派連合の信認で、公約を反故にしたことに対する国民の判断が求めれています。緊縮財政の受け入れを野党の一部はもともと賛成しており、「総選挙」後に欧州連合(EU)との金融支援を巡るこれまでの協議内容が覆る可能性は低いと見られます。

■世論調査では、急進左派連合は第一党を維持する見通しであるものの、野党の追い上げから、接戦が予想されています。チプラス党首の人気は高いとされるものの、反緊縮財政に期待していた若者や年金受給者らが離反しているとされます。

【ポイント2】反緊縮財政派は新党結成

与党は過半数下回る
■8月に、急進左派連合の25名の議員は、EUとの金融支援合意に反対し、同党を離脱して新党を結成しました。その結果、与党は過半数を下回り、国会運営に支障をきたしたことが今回の「総選挙」実施の背景です。

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【今後の展開】政治の安定により、EU支援による経済立て直しを期待

■迅速な政治の安定が必要
ギリシャはEUの金融支援により、停滞した経済を立て直すことが急務です。政府は支援の条件である増税、規制緩和、市場開放などを一部野党の協力を得て進めています。「総選挙」後も改革を継続する政治の安定が必要で、連立交渉が必要となった場合でも、迅速な交渉が期待されます。

■10月にはEUのレビューが予定される
10月にはEUによる緊縮財政実行状況の最初のレビューが予定されています。欧州中央銀行(ECB)による銀行の資産査定結果の公表も予定され、それらを踏まえて、ギリシャの銀行への資本注入が行われる予定です。予想外の「総選挙」結果とならなければ、金融市場の落ち着きも継続する見込みです。

(2015年9月18日)

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