中国の「政策運営と経済指標」(中国)

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中国では毎年12月に「中央経済工作会議」が開催され、翌年の経済政策の運営方針が決定されます。経済関連では最高レベルの会議であり、中国共産党最高指導部や政府閣僚に加え、大手国有企業および軍の幹部らも参加します。2014年12月に開催された同会議では、高速成長から中高速成長へ転換する「新常態(ニューノーマル)」に自発的に適応することなどが2015年の運営方針として定められました。

【ポイント1】消費主導型の中高速成長への軟着陸に努める

構造改革推進と安定成長維持のバランスがカギに
■中国政府は方針に基づき、構造改革の推進と安定成長の維持によって、年2ケタの伸びが続くような投資依存型の高速成長から、7.0%前後の消費主導型の中高速成長への軟着陸に努めています。具体的には地方政府財政や金融制度の改革を進め、過剰設備や過剰債務といった構造問題の解決に取り組むと同時に、それに伴う成長鈍化には、都市部のインフラ投資など対象を絞った財政政策の実施でバランスをとっています。

【ポイント2】今年は7%前後の成長目標

月次指標で進捗の検証が必要
■具体的な数値目標は2015年3月に開催された全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で正式に公表されました。2015年の実質GDP成長率は前年比7.0%前後、消費者物価指数伸び率は同3.0%前後に設定されています。
■全人代では中国経済のニューノーマル入りが強調されましたが、そのなかで目標が達成できるのか、月次の経済指標を中心に検証していくことが必要です。

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【今後の展開】中国景気の先行き不安は強いが急速な悪化は回避されよう

■指標では速報性のあるPMIの注目度が高い
中国では毎月上旬から中旬にかけて、貿易、物価、消費、生産、投資に関する前月分の経済指標が発表されます。また国家統計局や民間情報会社による購買担当者景気指数(PMI)は、月初などに発表されるため速報性があり、市場の注目度の高い経済指標です。

■市場が落ち着くまで時間を要する見通し
現在、中国景気の先行き不安で金融市場が動揺していますが、当局の政策対応で景気の急速な悪化は回避される見通しです。ただそれを確認するには今後の経済指標の発表を待たねばならず、金融市場が完全に落ち着くまで今しばらく時間を要するものと思われます。

(2015年9月4日)

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