ブラジル中銀、利上げを停止

2015/09/03

ブラジル中銀、利上げを停止

【ポイント1】8会合ぶりの金利据え置き

全会一致、市場予想通りの決定

■ブラジル中央銀行(以下、中銀)は2日、市場の大方の予想通り政策金利を14.25%に据え置くことを発表しました。
■中銀は、昨年10月から今年7月の前回会合まで連続で合計3.25%、2013年4月からでは合計7.00%利上げしていました。政策金利据え置きは昨年9月以来8会合ぶり、全会一致での決定です。

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【ポイント2】当面現状維持の見込み

利上げ効果を見極め

■声明文では、前回と同様に「物価を中銀の目標に近づけるため、現行の金利水準を十分に長い期間維持することが必要」と明言されました。
■消費者物価指数の上昇率は、公共料金の大幅な引き上げや食品の値上がりなどの影響から、前年同月比+10%近い伸びとなっています。ただし、財の価格は比較的落ち着いています。景気の低迷が続いていることから、中銀は政策金利を当面据え置き、高めの政策金利による物価抑制効果を見極める姿勢と思われます。

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【今後の展開】市場の物価見通し改善に注目

■景気低迷による歳入不足などから政府は財政緊縮を進めざるを得ない状況です。ルセフ政権は汚職問題もあり、支持率が1桁台に低下するなど人気が低迷しています。物価高の是正は、国民の不満解消や消費の持ち直しにつながると期待され、物価の落ち着きが待たれる局面です。
■中銀は物価上昇率などの市場予想を毎週調査しています。足元では、中国の景気不安などからブラジルレアル安が進んでおり、物価予想はやや上振れています。中銀の政策効果を見極める上では、2016年末の市場予想(5.51%)が目標(4.50%)に近づくかが当面の注目点です。

 (2015年9月3日) 

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