「GST」に期待を寄せるインド企業(インド)
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インドの夏季国会(モンスーン国会)は、8月13日に会期最終日を迎えました。成立が期待されていた「GST(物品・サービス税)」法案は、与野党の対立で国会が空転したことから棚上げとなり、来年4月の導入が不透明になってきました。一方、インド企業が寄せるこの法案への期待は、並々ならぬものがあります。企業にとって「GST」の第一のメリットは、物流の効率化にあるようです。 |
【ポイント1】非効率な在庫が解消
外国企業の投資促進にも効果
■「GST」の導入について、企業は一様にメリットが大きいことを強調します。電力用のケーブルや建物用の電気設備などを製造するフィノレックス・ケーブル社のCFO(最高財務責任者)ヴィスワナサン氏は、「GST」導入により、同社の物流拠点は「インド全体で現在の22カ所から4カ所に集約できる」としています。これは、現状、州をまたぐ製品の移動に課金されているものが、「GST」導入と同時に廃止、一元化されることによるメリットです。しかも、「それぞれの拠点で、あらゆる種類の製品在庫を抱えるという非効率が解消される」(同氏)としています。
■こうした税制の簡素化は、外国企業の投資促進にもつながります。インドへの進出を阻害する要因として、複雑な税制をあげる企業が多いためです。
(※)個別企業に言及していますが、当該銘柄を推奨するのもではありません。
【ポイント2】法案審議は棚上げ
事態の進展はうかがわれず
■与党インド人民党(BJP)は、次期国会(例年11月から)を前に、臨時国会開催も視野に入れ、来年4月の「GST」導入を目指す方針です。法案審議再開には、野党国民会議派(INC)の協力が不可欠ですが、国会空転のきかっけが、与党要人の汚職疑惑などに端を発しているだけに、今後の見通しがつきにくい状況です。
【今後の展開】国会審議再開と利下げが成長見通し改善のカギ
■企業は冷静に見守る姿勢
モディノミクスへの企業の期待は大きく、多くの企業が「方向性は正しい」と評価しています。一方、政治の進展に過度な期待はうかがわれません。事態の進展を冷静に見守るとの態度が支配的なようです。
■政府・与党の国会対策に注目
当面は政府・与党の国会対策が注目点となります。野党INCの協力を得て、「GST」法案の審議再開、可決が可能となれば、利下げ期待とともに中長期的な成長見通しの改善につながりそうです。
(2015年8月31日)
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