最近の指標から見るメキシコ経済(2015年8月)~景気は年後半持ち直しへ~

最近の指標から見るメキシコ経済(2015年8月)~景気は年後半持ち直しへ~

【ポイント1】足元の景気は緩慢

ペソ安や米国景気が後押し

■2015年4-6月期の実質GDP成長率は前年同期比+2.2%と、前期(同+2.6%)から低下しました。ただし、市場予想の同+2.1%を小幅に上回り、前期比は+0.5%と、前期の同+0.4%から小幅に上昇しました。
■メキシコ銀行(中央銀行、以下中銀)は、ペソ安や堅調な米国景気を背景に、輸出向けの製造業を中心に景気が年後半に持ち直しへ向かうと見ています。また、来年は消費の緩やかな拡大やエネルギー改革による設備投資の活性化などから、成長ペースが加速すると予想しています。

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【ポイント2】物価は当面安定の見込み

中銀は低金利で景気を下支え

■7月の消費者物価指数は前年同月比+2.74%となり、中銀の物価目標(年+3%、変動幅±1%)を3カ月連続で下回りました。中銀は、需要増による物価押し上げ圧力は殆ど見られず、来年にかけて目標近辺で推移すると予想しています。
■一方、中銀は米国の利上げ観測でペソ安が進む場合など、物価上振れを警戒しており、7月に米ドル売り為替介入の規模拡大などを発表しています。足元の景気が緩慢なことから、中銀は通貨政策を調整しながら政策金利を現行の過去最低水準に据え置き、景気を下支えする方針と見られます。

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【今後の展開】米国景気の下振れや原油安によるエネルギー改革停滞がリスク要因

■中銀は、景気の下振れ要因として米国景気の動向や構造改革の進捗状況などを注視しています。
■米国の景気は堅調な雇用情勢を背景に拡大が続くと見られますが、中国景気の減速や人民元の切り下げなどの影響から製造業が伸び悩む場合には、メキシコ景気への影響が懸念されます。
■政府は油田開発に外資を含む民間企業にも参加を認めるなど、エネルギー改革を進めています。しかし、7月に発表された開発案件への入札は不調でした。原油安が進むと、開発メリットが薄らぐため、9月以降の今後の入札などが注目されます。

 (2015年8月21日) 

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