日本の4-6月期GDPはマイナス成長、年後半は回復へ
日本の4-6月期GDPはマイナス成長、年後半は回復へ
【ポイント1】3四半期ぶりマイナス成長
個人消費、輸出が不振
■内閣府は17日、4-6月期のGDP統計1次速報値を発表しました。実質GDP成長率は、前期比年率▲1.6%と3四半期ぶりにマイナス成長となりました。個人消費や輸出が低迷したことなどが背景です。
■需要項目別の寄与度を見ると、個人消費はマイナス1.8%と、昨年の消費税増税の影響以来のマイナスでした。賃金上昇が実感される前に食料品などの値上げが相次いだことで、消費マインドが盛り上がらなかったほか、天候不順も影響しました。輸出は中国向けなどを中心に前期比減少し、輸出から輸入を差し引いた純輸出も1.1%のマイナス寄与となりました。
【ポイント2】公的需要や住宅投資はプラス
設備投資は7-9月期以降の回復に期待
■一方、公的需要や住宅投資はプラス寄与となりました。公的需要では、公共投資などの増加がプラスに寄与しました。住宅投資は、消費税増税前の駆け込み需要の反動が一巡したことから、小幅ながら2四半期連続でプラス寄与となりました。
■設備投資は前期に大きく伸びた反動もあり、4-6月期の寄与度はほぼゼロとなりました。企業収益の拡大が続いていることから、7-9月期以降の回復が期待されます。
【今後の展開】GDPは7-9月期以降回復し、2015年度は実質1%程度の成長に
■懸念される中国の景気は、追加金融緩和などの政策余地が大きく、過度の減速は回避されそうです。日本の輸出は、欧米やアジア向けが底堅く推移することで持ち直しが見込まれます。また、企業収益の拡大が続いていることから、さらなる賃上げの期待が高まり、個人消費の持ち直しも期待されます。実質GDP成長率は、7-9月期以降緩やかに回復し、2015年度は1%程度の成長が見込まれます。
■中国株の下落などで日経平均株価は7月に一時2万円を切る場面もありましたが、今後は景気の緩やかな回復に伴い、企業収益の拡大に沿った展開になることが期待されます。
(2015年8月17日)
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