「街角景気」、夏物商品の動きが活発化(日本)

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「景気ウォッチャー調査」は、内閣府が毎月実施する景況感に関する調査で「街角景気」調査とも呼ばれます。タクシー運転手やコンビニエンスストアの店長、レストラン経営者など、景気に敏感な約2,000人が調査対象(ウォッチャー)です。3カ月前と比べたその時点の景気と、2~3カ月先の景気予測を調査します。算出された指数から好不況を判断する際の中立水準は、50ポイントです。

【ポイント1】現状判断DIは6カ月連続で中立を上回る

夏物商品の動きが好調
■7月の「景気ウォッチャー調査」(調査期間7月25日~31日)は、「現状判断DI」が前月から0.6ポイント上昇の51.6ポイントでした。3カ月ぶりに上昇し、6カ月連続で好況を示す中立の50ポイントを上回りました。7月に入り好天に恵まれたことで、夏物商品の売れ行きが好調に推移し、また、外国人旅行者によるインバウンド消費の拡大や人手不足などが景況感改善の背景です。
■街角の声には、「夏のボーナス後に猛暑日が増えたことで、エアコン等の冷房関連がけん引し、販売量が回復している(四国の家電量販店)」といった声が聞かれました。

【ポイント2】先行き判断DIも7カ月連続で中立以上

円安による物価上昇に懸念の声も
■2~3カ月先の見通しを示す「先行き判断DI」は、前月から1.6ポイント低下の51.9ポイントとなりました。円安進展で輸入物価の上昇懸念が台頭し、先行きの景況感がやや低下したものの、7カ月連続で中立の50ポイント以上と、依然先行きの好況見通しが維持されています。
■街角の声には、「9月の大型連休で九州への旅行客が増え、買上が増えるのを期待している。また、9月末に韓国の連休の中秋節があり、続いて10月初旬に中国の連休の国慶節があるので、インバウンド消費も増えると見込んでいる(九州の百貨店)」など、前向きな声が聞かれました。

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【今後の展開】企業収益拡大が所得、消費へ波及する好循環が持続し景況感は改善へ

■本格的な消費回復に期待
日本経済新聞社が集計(7日までの発表分累計)した4-6月期決算企業の経常利益は、前年同期比+24%と好調でした。円安による輸出採算の改善に加え、非製造業などの内需関連企業も堅調な増益を示しました。企業収益の拡大がさらなる賃金上昇と消費拡大につながる好循環が期待されます。

■先行きの景況感も改善へ
17日に発表される4-6月期の実質GDP成長率は、中国や米国向けの輸出の停滞などから減速が見込まれます。しかし、米国景気に持ち直しが見られることや、賃上げや夏のボーナス増で消費回復が期待されることなどから、7-9月期以降は緩やかに加速する見通しです。先行きの景況感も今後は改善が期待されます。

(2015年8月11日)

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