アジア・リート市場、足元の動向と今後の見通し~下値を切り上げつつ、今後は成長性を評価する展開へ~

アジア・リート市場、足元の動向と今後の見通し

【ポイント1】下値を切り上げつつある

国債利回りの低下などが背景

■アジア・リート指数(アジア・パシフィック(除く日本)、円ベース)は、足元で下値を切り上げつつあります。8月4日の終値は、6月以降の安値(7月9日)から+4.4%上昇しました。

■6月半ばから7月初旬頃にかけてアジア・リート指数が軟調となったのは、世界的な国債利回りの上昇、ギリシャ情勢の先行き不透明感の強まり、中国株式市場の下落などの悪材料が重なったことが背景です。

■足元では、これらの影響が弱まりました。主要国の国債利回り上昇は、行き過ぎた利回り低下の巻き戻しと見られ、徐々に落ち着きを見せています。また、ギリシャ情勢は第3次支援の交渉が実質的にスタートしたことで一旦落ち着き、中国株式市場も政府の株価対策などからやや落ち着きを取り戻しています。

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【ポイント2】円安もプラス要因に

豪ドル下落に落ち着き

■7月9日からのリート指数の上昇には、円安も寄与し、円ベースの上昇率は現地通貨ベースの上昇率を上回りました。

■米ドルに連動する香港ドルは、米国の年内利上げ観測が強まったことなどから対円で上昇しました。

■豪ドルは、6月後半以降、資源価格の下落などから急速に豪ドル安が進みましたが、消費と住宅投資がけん引し緩やかな景気回復が見込まれることや利下げ観測が弱まったことなどから、徐々に落ち着きを取り戻すと見られます。

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【今後の展開】高い経済成長を背景とした増益・増配に期待

■今年中に見込まれる米国の利上げ局面では、景気拡大と物価上昇が緩やかとなる見込みから、10年国債利回りの上昇も緩やかなものにとどまり、リート市場への影響は限定的となりそうです。

■アジアの高い経済成長を背景とした増益・増配期待や、相対的な利回りの高さは引き続きアジア・リート市場のサポート要因になると考えられます。

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 (2015年8月5日) 

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