南アフリカ中銀、1年ぶりに政策金利を引き上げ
南アフリカ中銀、1年ぶりに政策金利を引き上げ
【ポイント1】 政策金利を0.25%引き上げ
エコノミスト31名中17名が予想
■南アフリカ準備銀行(中央銀行、以下中銀)は23日、政策金利(レポ金利)を0.25%引き上げ、6.00%とすることを発表しました。
■利上げは昨年7月以来1年ぶりで、ブルームバーグ集計の事前予想では、エコノミスト31名中17名が0.25%の利上げを予想していました。
【ポイント2】物価上昇の加速を警戒
緩慢な景気のなかでも引き締め継続
■中銀は消費者物価指数について、2015年(平均)の予想を前年比+5.0%(前回5月予想は同+4.9%)に引き上げました。2016年(平均)は同+6.1%に据え置きました。中銀は、通貨安、食品価格の上昇、電力料金引き上げなどを当面の物価高要因として警戒しており、2016年1-3月期には同+6.9%に上昇すると予想しました。物価見通しの上振れが今回の利上げの背景です。
■実質GDP成長率については、2015年を前年比+2.0%、2016年を同+2.1%とし、前回からそれぞれ0.1%ずつ引き下げました。
■今回の政策決定では、6名の委員のうち4名が利上げを、2名が据え置きを主張し、意見が分かれました。景気が緩慢ななか、中長期的な物価見通しに変化がないとの見方が、一部の委員による据え置きの判断の背景と見られます。
【今後の展開】中銀の金融引き締めスタンス継続は、ランドの支援材料に
■中銀は、物価見通しには上振れの可能性があるとしながらも、金融政策は今後のデータ次第との考えを示しました。市場では、中銀は今後も金融引き締めスタンスを続け、緩やかな利上げを行うとの見方が大勢です。
■中国の景気減速懸念や米国の利上げ観測などから、ランドは下振れしやすい展開が続きそうです。ただし、政策金利が主要国と比較して高い水準にあり、中銀が今後も金融融引き締めを維持することは、ランドの支援材料と見られます。
(2015年7月24日)
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