ECBは現行政策を維持、ギリシャ支援を拡充

ECBは現行政策を維持、ギリシャ支援を拡充

【ポイント1】 月600億ユーロの購入を維持

ギリシャ向けELAを増額
■欧州中央銀行(ECB)は16日、政策金利、預金金利を、それぞれ0.05%、マイナス0.20%に据え置くことを決定しました。また、3月から開始した月600億ユーロの国債などの購入策を2016年9月まで継続する方針を維持しました。

■ECB理事会に先立ち、欧州連合(EU)によるギリシャへの70億ユーロのつなぎ融資実行が決まっています。これは15日にギリシャ議会で財政改革法案が成立したことを受けたものです。

■またECBは、6月26日の残高で凍結していたギリシャへの緊急流動性支援(ELA)の上限残高を9億ユーロ引き上げるとしました。

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【ポイント2】 ECBはギリシャ支援に前向き

量的緩和でギリシャ国債購入に含み
■ドラギ総裁の記者会見ではギリシャ問題に質疑が集中しました。総裁は、「状況は変わった」と、ギリシャがユーロ圏に残留することを前提に支援を続ける姿勢を示しました。

■総裁はまた、ギリシャ国債は、一定の条件が整えば、量的緩和の対象となると発言し、将来的なギリシャ国債購入の可能性を示唆しました。

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【今後の展開】 ギリシャ不安は一旦後退し、量的緩和継続で物価目標達成へ

■声明文では、量的金融緩和は概ね想定に沿ったペースで進み、インフレ期待は前回の会合以降上昇していると指摘しました。足元の金融環境の不確実性の高まりによる景気や物価見通しの変更はないとしました。物価目標の達成に向けて、現行の量的緩和が継続され、金融市場の変動が高まった場合には、追加緩和も予想されます。

■ドイツ国債の利回りは金融緩和継続により、低位で落ち着きどころを探る展開が見込まれます。

■為替市場では、米国の年内利上げ観測もありユーロは対米ドルで下落傾向にあり、引き続き米欧の金融政策の方向性の違いが意識される展開が見込まれます。

■株式市場では、ギリシャ問題の進展、金融緩和継続、堅調な企業業績を背景に、底堅い展開が予想されます。

 

(2015年7月17日) 

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