最近の指標から見る中国経済(2015年7月)~追加テコ入れ策で着実な景気回復へ~
最近の指標から見る中国経済(2015年7月)~追加テコ入れ策で着実な景気回復へ~
【ポイント1】 成長率は7%を維持
不動産開発投資の鈍化は継続
■4-6月期の実質GDP成長率は前年同期比+7.0%と前四半期と同じ成長率でした。6月の小売売上高、固定資産投資(除く農村部)の鈍化は止まり、生産は若干ですが加速しました。今年の成長目標である+7%成長を維持し、景気の鈍化は止まりつつあるようです。
■一方、不動産開発投資の鈍化は6月も続きました。景気には産業毎にバラつきが見られます。
【ポイント2】 マネーの鈍化に転機の兆し
物価は低位安定
■6月の消費者物価指数は前年同月比+1.4%と、低位で落ち着いています。エネルギーや食品価格などの安定からインフレ期待は抑制されています。
■マネーサプライ(M2)の前年比伸び率は低下が止まりつつあります。金融緩和などの効果が出始めたと見られます。しかし、金融機関の新規貸出などの伸びに大きな加速が見られず、依然として金融機関が貸出に慎重な姿勢であることが影響しているようです。
【今後の展開】 追加金融緩和などの政策により、年後半の回復を確実に
■構造改革と安定成長が両立する「新常態」を目指し、「中国製造2025」や「自由貿易試験区」拡大などの成長戦略に政府は力を入れています。しかし、成果の確認には時間が必要で、足元では不安定な株式市場の景気への悪影響も懸念されます。即効性のある追加金融緩和や財政などの景気テコ入れ策により、年後半の景気回復を確実にすることが期待されます。
(2015年7月16日)
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