ギリシャ協議は未決着、財政改革法制化に3日間の猶予

ギリシャ協議は未決着、財政改革法制化に3日間の猶予

【ポイント1】 ギリシャに3日間の猶予

法案成立なければユーロ圏離脱も
■12日に開催されたユーロ圏首脳会合で、EU(欧州連合)はギリシャに、第3次金融支援の条件として、3日以内に財政改革法を成立させることを求めました。
■ギリシャがこの法案を成立させないと、ギリシャへの金融支援が行われず、ギリシャがユーロ圏を離脱する可能性が高まります。成立すれば、ドイツなどの議会承認の必要はあるものの、第3次金融支援へ向けて一歩前進し、ギリシャはデフォルトを回避する可能性が高まります。

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【ポイント2】ユーロ圏は確実な実行を要求

否決した改革案承認に国民は反発

■ギリシャは、首脳会合前の11日、EU案を大幅に取り入れた財政改革案を議会で承認し、財政改革を実行する見返りに、500億ユーロ超の金融支援と債務の一部減免、経済協力などをEUに求めました。首脳会合では、ドイツなどが、確実な改革実行を求め、今回の法制化の要求となりました。
■ギリシャ国民の間では、国民投票で否決したはずの財政緊縮案が議会承認されたうえ、強引とも言えるEU側の法制化要求に対して反発を強めており、政局が流動化する可能性もあります。

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【今後の展開】状況次第で、追加の金融緩和が期待される

■ギリシャは6月29日以降、欧州中央銀行(ECB)の緊急流動性支援(ELA)の増額が凍結され、資本規制による銀行休業が続いています。仮に、20日の国債償還が遅延すれば、ギリシャは債務不履行(デフォルト)となり、ECBによるELAの停止が見込まれます。その場合は、ギリシャは債務証書(IOU)などの発行に追い込まれ、二重通貨制度への移行を余儀なくされそうです。

■欧州では2010年のギリシャ危機以降、欧州安定メカニズム(ESM)が導入され、危機対応力は強化されました。また、ECBは状況次第で量的金融緩和を強化する可能性もあり、ギリシャ危機が欧州全体に波及するリスクは限定的と見られます。ただし、ギリシャに与えられた3日間の猶予の間にも不透明感が残るため、市場の変動性が高まる場合には注意が必要です。

 (2015年7月13日) 

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