「街角景気」は円安の影響を懸念(日本)

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「景気ウォッチャー調査」は、内閣府が毎月実施する景況感に関する調査で「街角景気」調査とも呼ばれます。タクシー運転手やコンビニエンスストアの店長、レストラン経営者など、景気に敏感な約2,000人が調査対象(ウォッチャー)です。3カ月前と比べたその時点の景気と、2~3カ月先の景気予測を調査します。算出された指数から好不況を判断する際の中立水準は、50ポイントです。

【ポイント1】現状判断DIは2カ月連続で低下、50ポイント超はキープ

円安による輸入品価格の上昇を懸念
■6月の「景気ウォッチャー調査」(調査期間6月25日~30日)は、「現状判断DI」が前月から2.3ポイント低下の51.0ポイントでした。2カ月連続で低下したものの、中立の50ポイントを5カ月連続で上回りました。家計動向、雇用が低下しました。円安による輸入品価格の上昇や天候不順による売り上げへの影響などが懸念されました。天候不順の影響を不安視する声も聞かれました。
■街角の声には、「円安による輸入原材料の価格上昇は、物価上昇を更に加速させている。当店でも止むを得ず値上げを実施し、その結果、客の購買意欲が低下するという状態(東海の一般小売店)」といった声が聞かれました。

【ポイント2】先行き判断DIは7カ月ぶりに低下

プレミアム付商品券に期待の声
■2~3カ月先の見通しを示す「先行き判断DI」は、前月から1.0ポイント低下の53.5ポイントでした。こちらも、円安による物価上昇への不安などから家計動向が低下しました。一方、外国人観光需要やボーナスへの期待も聞かれました。
■街角の声には、「インバウンドが昨年を上回る状況で好調に推移していることと、プレミアム付商品券の販売がスタートするので、これからの3か月間は期待したい(九州のショッピングセンター)」など、指数は低下したものの、引き続き前向きな声が目立ちました。

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【今後の展開】消費マインドが上向く要因が多い一方、天候や海外要因の影響に注意

■プレミアム付商品券とボーナスが消費喚起
2014年度補正予算で、地方自治体によるプレミアム付商品券発行支援などに2,483億円が配分されました。5月以降多くの自治体で地元商品などをお得に買える商品券が販売されています。この商品券や夏のボーナスによる消費喚起効果が見込まれることや、“インバウンド消費”も拡大の見込みから、今後の消費に期待が高まります。

■企業業績期待の一方、天候と海外要因がリスク
7月後半以降発表される4-6月期の企業決算では円安もあり総じて好業績が見込まれます。企業収益拡大が賃金上昇につながる好循環が見込まれることから、今後の景況感のさらなる改善が期待されます。エルニーニョ現象による天候不順の影響や中国やギリシャでの市場の混乱の影響には注意が必要です。

(2015年7月9日)

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