中国株急落、当局は矢継ぎ早に株価対策を発表
中国株急落、当局は矢継ぎ早に株価対策を発表
【ポイント1】 高値から約30%下落
株価対策もあり週明けの市場は反発
■上海総合指数は、年初から6月12日の終値まで約60%上昇した後一転、7月3日まで約29%下落しました。香港で取引されるハンセンH株指数は、5月26日の高値から7月3日まで約15%下落しました。景気減速下でも株式市場が大きく上昇し、高値警戒感が強まるなか、政府の景気対策への失望や新規株式公開による需給悪化懸念が株価急落の背景にあります。7月5日のギリシャ国民投票を前に警戒感が強まったことも要因です。
■これに対し政府・当局は、6月27日の追加利下げをはじめ7月4日まで株式市場のテコ入れ策を矢継ぎ早に発表しました。こうしたこともあり週明け6日午前の上海市場は前週末比上昇しています。
【ポイント2】 信用取引規制を緩和
取引所、大手証券も対策を発表
■信用取引にからむ証拠金追加のための売り圧力に対して、証券監督管理委員会は7月1日、信用取引の担保要件を大幅に緩和する措置を発表しました。また、上海、深セン両取引所は同日、取引手数料を8月1日から30%引き下げると発表しました。さらに、大手証券21社は、ETFを通じて1,200億元の資金を市場に投入することに加え、上海総合指数が4,500ポイントに達するまで保有株式を売却しない方針を明らかにしました。
【今後の展開】 株価と景気テコ入れのための追加対策が期待される
■中国株式市場は、引き続き振幅の大きい不安定な値動きが見込まれます。ギリシャの国民投票が緊縮策を拒否する結果となったことも、しばらく投資家心理を抑えそうです。市場動向次第では、証券取引印紙税率引き下げや政府系投資会社による買い支えなどの追加措置もありそうです。
■中国の景気は減速傾向にあり、政府は来年から始まる5カ年計画を視野に、景気刺激策を強化すると予想されます。追加の金融緩和や製造業の競争力強化などにより、+7%前後の成長率目標の達成を目指す見込みです。こうした政策強化も株式市場を下支えすると期待されます。
(2015年7月6日)
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