中国は追加金融緩和、景気減速と株価下落に対応

中国は追加金融緩和、景気減速と株価下落に対応

【ポイント1】政策金利、預金準備率ともに引き下げ

景気を下支え

■ 中国人民銀行(中央銀行)は27日、政策金利である預金と貸出の基準金利(期間1年)を28日からともに0.25%引き下げ、それぞれ、2.00%、4.85%とすると発表しました。さらに、一部の銀行の預金準備率も0.5%引き下げるとしました。

■ 今回の引き下げは、預貸基準金利が昨年11月以降で4回目、預金準備率は同じく3回目です。企業の資金調達コスト軽減などにより、景気の下支えを狙ったと見られます。

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【ポイント2】 株式市場は大幅下落

ギリシャ不安も拍車

■ 上海総合指数は、26日までの2週間で約▲19%下落していました。これまでの上昇に対する高値警戒感に加え、信用取引規制の強化や相次ぐ新規株式公開(IPO)による需給悪化懸念などが要因です。今回の金融緩和強化は、株式市場下落の経済への影響も意識されたと見られます。

■ 香港で取引されるハンセンH株指数は、本土市場下落の影響などから、26日までの2週間で約▲6%下落しました。

■ 29日の上海総合指数は、ギリシャのデフォルト懸念の高まりなども影響し、前日比▲3.3%、ハンセンH株指数は同▲3.0%でした。

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【今後の展開】 景気テコ入れのため、追加の金融緩和策などが期待される

■ 本土株式市場は、当面振幅の大きい不安定な値動きを繰り返しつつ、下値を模索する展開となりそうです。信用取引にからむ返済資金確保のための売り圧力も懸念されます。一方、機関投資家がグローバルに投資する香港市場では、本土市場に連れた動きが想定され、またギリシャ問題などの影響も受けやすいと見られます。

■ 景気回復と公的年金資金などによる株式需給の下支えもあり、株式市場を取り巻く環境は今後も良好と見られます。ギリシャ問題に落ち着きが見られれば、株価は企業収益拡大に沿った展開に戻ることが期待されます。

 (2015年6月30日) 

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