TPP大筋合意に向けて大きく前進

TPP大筋合意に向けて大きく前進

【ポイント1】 TPA法案が再可決

TAA法案も可決の見通し

■米上院は、6月24日の本会議で貿易促進権限(TPA=Trade Promotion Authority)法案を再可決しました。

■TPA法案は、議会が通商交渉の権限を大統領に一任する法案です。貿易自由化の促進で失業した労働者への支援策を定める法案がセットとなっていました。12日に下院で関連法案である貿易調整援助(TAA=Trade Adjustment Assistance)法案が否決されたことで、法案成立は7月末までずれ込むと見られていました。その後、次善策として、両法案を切り離して再採決することとなりました。

■民主党の離反によって不成立となったTAA法案も、民主党の要望をある程度飲むことで、24日に上院で可決、25日には下院でも可決される可能性が高まりました。両法案にオバマ大統領が署名すれば、TPA法案が成立することになります。

 

【ポイント2】 TPP交渉にTPAが必要

権限一任で交渉加速

■TPAは環太平洋経済連携協定(TPP)交渉を進める上で、重要な大統領権限です。米国の通商交渉では、議会が再修正を求めることができます。TPP交渉が進展しても、米議会による再修正、当事国間の再交渉となれば、まとまる可能性が低くなります。交渉をより早くまとめるためにも、権限を一任するTPAが不可欠な状況です。

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【今後の展開】 7月中にもTPP大筋合意か

■TPA法案の成立に目途が立ったことで、TPP交渉が動き出します。まず最初に、日米協議が再開されることになります。日米間では、米国産のコメの受入や自動車部品の関税等を巡ってまだ対立が続いています。TPAが成立すれば、妥協点を探る交渉が加速します。

■12カ国全体の交渉も動き出すことになります。 12カ国間では知的財産の分野などで調整が必要と思われますが、TPAによって再交渉を懸念することなく、前向きな議論が進展すると期待されます。7月中旬以降には、閣僚会合が開催され、TPPが大筋合意に至る可能性があります。

 (2015年6月25日) 

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