主要国のリート市場の最近の動向(5月) ~国債利回り上昇による下落を円安が埋める~

主要国のリート市場の最近の動向(5月) ~国債利回り上昇による下落を円安が埋める~

【ポイント1】 国債利回り上昇が嫌気される

為替要因はプラス寄与

■5月のグローバル・リート市場は、世界的な国債利回りの上昇などにより、現地通貨ベースで▲2.0%と下落しました。為替要因のプラスがリート市場の下落を埋め、円ベースでは+0.1%でした。
■為替市場では、米国の年内利上げ観測が強まったことなどから米ドルが対円で上昇したほか、指数を構成するすべての通貨が対円で上昇し、為替要因はプラスに寄与しました。

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【ポイント2】 豪州市場が好調

米国、シンガポールは円ベースで上昇

■米国市場は、国債利回りが上昇したことなどにより、現地通貨ベースで下落しました。為替要因のプラスにより、円ベースでは上昇しました。
■欧州市場は、ギリシャ情勢の不透明感が強まったことや国債利回りが上昇したことなどにより、現地通貨ベースで下落しました。為替要因はプラスに寄与し、現地通貨ベースの下落を一部埋めました。
■豪州市場は、リートの堅調な決算や消費者信頼感指数の改善などが好感され、現地通貨ベースで上昇しました。為替要因もプラスに寄与しました。
■シンガポール市場は、国債利回りの上昇などにより、現地通貨ベースで下落しました。為替要因のプラス寄与により、円ベースでは小幅に上昇しました。

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【今後の展開】世界的な国債利回りの上昇が落ち着くにつれ底堅い展開に

■世界的に国債利回りが上昇傾向です。米国の雇用統計が市場予想を上回り年内の利上げ観測が強まったことや、欧州のデフレ懸念が後退したことなどが背景です。
■ただし、米国では、物価上昇率が緩やかなため、金利上昇ペースも緩やかとなる見込みです。また、欧州では、欧州中央銀行(ECB)が2016年9月末まで国債などの購入による金融緩和を維持すると見られ、国債利回りの上昇は限定的となる見込みです。
■世界景気の緩やかな回復は続き、世界の不動産市場の堅調さは続くと見られます。世界的な国債利回りの上昇が落ち着くにつれ、リートの配当利回りの高さが見直され、グローバル・リート市場は底堅い推移となることが期待されます。

 (2015年6月11日) 

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