主要国のリート市場の最近の動向(5月) ~国債利回り上昇による下落を円安が埋める~

2015/06/11

主要国のリート市場の最近の動向(5月) ~国債利回り上昇による下落を円安が埋める~

【ポイント1】 国債利回り上昇が嫌気される

為替要因はプラス寄与

■5月のグローバル・リート市場は、世界的な国債利回りの上昇などにより、現地通貨ベースで▲2.0%と下落しました。為替要因のプラスがリート市場の下落を埋め、円ベースでは+0.1%でした。
■為替市場では、米国の年内利上げ観測が強まったことなどから米ドルが対円で上昇したほか、指数を構成するすべての通貨が対円で上昇し、為替要因はプラスに寄与しました。

 20150611re1

【ポイント2】 豪州市場が好調

米国、シンガポールは円ベースで上昇

■米国市場は、国債利回りが上昇したことなどにより、現地通貨ベースで下落しました。為替要因のプラスにより、円ベースでは上昇しました。
■欧州市場は、ギリシャ情勢の不透明感が強まったことや国債利回りが上昇したことなどにより、現地通貨ベースで下落しました。為替要因はプラスに寄与し、現地通貨ベースの下落を一部埋めました。
■豪州市場は、リートの堅調な決算や消費者信頼感指数の改善などが好感され、現地通貨ベースで上昇しました。為替要因もプラスに寄与しました。
■シンガポール市場は、国債利回りの上昇などにより、現地通貨ベースで下落しました。為替要因のプラス寄与により、円ベースでは小幅に上昇しました。

  20150611re2

【今後の展開】世界的な国債利回りの上昇が落ち着くにつれ底堅い展開に

■世界的に国債利回りが上昇傾向です。米国の雇用統計が市場予想を上回り年内の利上げ観測が強まったことや、欧州のデフレ懸念が後退したことなどが背景です。
■ただし、米国では、物価上昇率が緩やかなため、金利上昇ペースも緩やかとなる見込みです。また、欧州では、欧州中央銀行(ECB)が2016年9月末まで国債などの購入による金融緩和を維持すると見られ、国債利回りの上昇は限定的となる見込みです。
■世界景気の緩やかな回復は続き、世界の不動産市場の堅調さは続くと見られます。世界的な国債利回りの上昇が落ち着くにつれ、リートの配当利回りの高さが見直され、グローバル・リート市場は底堅い推移となることが期待されます。

 (2015年6月11日) 

印刷用PDFはこちら→

http://www.smam-jp.com/market/report/marketreport/__icsFiles/afieldfile/2015/06/11/news150611re.pdf

関連マーケットレポート

2015年06月10日    米国の債券市場(2015年6月)

2015年06月08日    アジア・リート市場、足元の動向と今後の見通し

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
三井住友DS マーケット・レポート   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ