米国の債券市場(2015年6月) ~ 経済指標の改善を受け、米国債利回りは上昇~

米国の債券市場(2015年6月)~ 経済指標の改善を受け、米国債利回りは上昇~

【ポイント1】 ISM指数や雇用の上振れで利回り上昇

ドイツ国債の利回り上昇も影響

■5月のISM製造業景況感指数や雇用統計が上振れたことから年内の利上げ観測が強まり、米国債利回りは上昇しました。ドイツとユーロ圏の5月の物価上昇率が上振れたことで、ドイツ国債の利回りが再び上昇傾向を強めたことも米国債利回りに影響しました。

■イエレンFRB議長は、5月22日の講演で、「想定通りに景気の回復が続いた場合は、年内いずれかの時点でFF金利誘導目標を引き上げることが適切になるだろう」と述べました。その後、経済指標が上振れたため、年内の利上げ観測が強まり、国債利回りの上昇につながりました。

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【ポイント2】 米社債スプレッドは拡大

日米短期金利差は緩やかな拡大継続

■米社債スプレッド(国債との利回り差)は、5月中旬以降、若干拡大しました。

■短期金利の動きをロンドン銀行間取引金利(LIBOR)でみると、米国の短期金利はほぼ横ばい圏ですが、日本の金利が低下し、日米金利差は若干拡大しました。

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【今後の展開】 米国債利回りは、利上げ開始が意識され、緩やかな上昇へ

■米国の景気は、雇用の改善や個人消費の底堅さを背景に、年後半にかけて緩やかに改善すると見込まれます。

■景気の改善を受け、年内の利上げ開始が見込まれます。その後の利上げペースは、物価見通しが落ち着いていることから、緩やかにとどまると予想されます。

■これらを背景に、米国債利回りは、緩やかに上昇する展開が見込まれます。ドイツ国債の利回りは、ECBの国債購入の継続から、低位での落ち着きどころを探る展開が予想され、米国債への影響も徐々に和らぎそうです。

■米社債スプレッドは、主要米国企業の底堅い業績や慎重な財務運営、社債の相対的な高利回りなどから、今後も安定的に推移しそうです。

 (2015年6月10日) 

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