ブラジル中銀が6会合連続の利上げ

ブラジル中銀が6会合連続の利上げ

【ポイント1】市場予想通り0.50%の利上げ

政策金利は約6年半ぶりの高水準
■ブラジル中央銀行(以下、中銀)は3日、市場の大方の予想通り政策金利を0.50%引き上げ、13.75%とすることを全会一致で決定しました。

■政策金利は昨年10月の会合から6会合連続で引き上げられ、約6年半ぶりの高水準(2009年1月、13.75%)になりました。

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【ポイント2】利上げを続ける見込み

物価抑制姿勢を継続

■声明文の内容は、前回会合から変更がなく、景気とインフレの見通しを踏まえ、全会一致で決定したとしました。中銀は物価抑制の姿勢を続けており、次回会合(7月28日~29日)でも利上げが行われると見られています。

■5月前半の消費者物価指数は、前年同月比+8.24%と、中銀の物価目標(年+2.5%~+6.5%)の上限を大きく上回る状況が続いています。財政再建に向け補助金が削減され、電気料金が大きく値上げされたことなどが背景であり、中銀はこうした公共料金値上げの影響が広がることを警戒しています。

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【今後の展開】政府・中銀の政策による中長期的な景気支援効果に期待

■中銀が1日に発表したエコノミストを対象にした調査によると、2015年末の物価上昇率予想は前年比+8.39%、2016年末は同+5.50%でした。市場予想が中銀の物価目標の中心(同+4.50%)に近づくまで、追加利上げ観測は残ると思われます。

■利上げは、財政再建に向けた増税や歳出削減と同時に進められる格好です。当面の景気は、政府・中銀の政策による下押しから低迷しそうです。

■ただし、2016年に向けて景気は上向く見通しです。政府は、財政再建に取り組むなかでもインフラ投資を続けるなど景気に配慮しています。また、利上げにより物価が落ち着く場合、消費や投資への下支えになると見られます。

 (2015年6月4日) 

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