「消費者物価」、増税の影響が一巡(日本)

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消費者が購入する物やサービスの価格動向は、総務省が毎月発表する「消費者物価指数(CPI)」で把握することができます。そのなかで価格の変動幅が大きい生鮮食品を除いた総合指数は「コアCPI」と呼ばれ、物価の基調を見る上で注目されています。また、消費者庁が発表する「物価モニター調査」では、足元の品目別物価動向に加え、物価の先行きへの意識なども調査されます。

【ポイント1】 消費税増税の影響一巡で「物価」の伸びが低下

食料は上昇、エネルギーは低下

■4月の「コアCPI」は、前年同月比0.3%の上昇と3月の同2.2%の上昇から伸びが低下しました。消費税増税の影響が一巡したことや原油安によりエネルギー価格が下落したことなどが影響しました。

■項目別では、「生鮮食品を除く食料」は同1.5%の上昇となりましたが、「エネルギー」が同3.4%の低下となりました。エネルギーを除いた物価の基調は小幅ながら上昇傾向にあると見られます。

【ポイント2】 食料品などの値上げが相次ぐ

原油は物価押し下げ要因

■ ブラジル政府は5月22日、裁量的支出を約700億レアル削減する今年度予算の修正案を発表しました。

■原材料を含め輸入に多くを依存する食料品は、円安による輸入価格の上昇で値上げが相次いでいます。5月の「物価モニター調査」では、食料品18品目中11品目の価格が上昇しました。カップ麺や乳製品などが上昇しています。また、同調査では、原材料費の上昇を理由に、食パンや食用油などが今後値上がりするとの意識調査結果が示されています。円安の影響が広がっていると見られます。

■一方、原油は物価を押し下げています。現状の原油価格や為替水準が続けば、原油を原料とする石油製品などの価格は、前年比下落が当面続き、物価の押し下げ要因になると見られます。

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【今後の展開】物価上昇率は当面0%程度で推移し、その後緩やかな上昇へ

 ■当面0%程度での推移が続く見通し

食料品などの値上げが相次いでいますが、原油安が物価上昇を和らげる形は当面続きそうです。全国の4月分と同時に発表される5月の東京都区部「コアCPI」は、前年同月比+0.2%と4月から伸びが低下しました。大きな物価押し上げ要因は見られず、全国の物価は、0%程度で当面推移しそうです。

■経済成長に沿った物価上昇の定着に期待

物価の影響を除いた実質賃金は、4月に小幅ながら前年比プラスに転じました。当面は賃上げと物価の落ち着きで消費の回復基調は強まりそうです。原油の大幅な価格変動がなければ、緩やかな経済成長に沿った物価上昇の定着が期待されます。

(2015年6月4日)

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