インド中銀、今年3度目の利下げ

インド中銀、今年3度目の利下げ

【ポイント1】 政策金利を7.25%に引き下げ

市場予想通り0.25%引き下げ
■インド準備銀行(RBI)は2日、市場の大方の予想通り、政策金利(レポ金利)を0.25%引き下げ、7.25%とすることを発表しました。利下げは、今年に入り1月と3月の臨時会合以来、3度目です。

■RBIは、物価の落ち着き、米国の利上げが後ずれする可能性、投資や信用の伸びが弱く景気が力強さを欠く状況などから、小幅の利下げが適切と判断しました。

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【ポイント2】 追加利下げ期待が後退

RBIは少雨による物価高を警戒

■利下げ発表当日のインド市場は、株式、債券、通貨がいずれも下落するいわゆるトリプル安になりました。背景には、RBIが少雨による農産物価格の上昇を警戒し、2016年1月時点の物価見通しを上方修正(前年同月比+6.0%、前回予想、同+5.8%)したことがあると見られます。

■RBIは、今後の金融政策は天候や原油価格の動向などを見極めながら決定する姿勢を示しました。市場では食品を中心とした物価の上振れと追加利下げ見送りの可能性が意識され、景気加速への期待がやや薄らいだ格好です。

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【今後の展開】  政策効果による景気加速や、経済構造改革による物価安定に期待

■RBIは、これまでの食品流通管理の改善や、利下げによる市中金利の低下などを評価しています。こうした政策効果の浸透により景気拡大や物価安定への期待が強まれば、インドの株式、債券、通貨は持ち直しに向かうと思われます。

■RBIは、政府の投資は供給面の制約を緩和し、 中期的な物価抑制に重要と指摘しました。次期国会(7月から8月の予定)では、物品・サービス税(GST)導入や土地収用法など、構造改革関連の重要法案が審議される見込みです。与野党が対話に歩み寄りを見せており、これらの法案成立への期待も、インド市場を後押ししそうです。

 (2015年6月3日) 

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