拡大する中国の「eコマース」市場(中国)

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「eコマース」(電子商取引)市場は、企業間取引、企業と消費者間の取引に大別されます。2014年の中国の「eコマース」市場は、約13.4兆元(約266兆円)で、うち、約10兆元(約75%)が企業間取引、約2.8兆元(約21%)が企業と消費者間の取引でした。2015年には「eコマース」市場の規模は約18兆元(約357兆円)に拡大する見込みで、特に企業と消費者間の取引の加速が見込まれています。

【ポイント1】拡大する市場規模、2015年は日本のGDPの約7割へ

「eコマース」による小売売上高は、4月まで4割増
■中国のシンクタンクである中国電子商取引研究センターは、中国の「eコマース」の市場規模が2015年は前年比+34%拡大し、18兆元(約357兆円)規模となると予測しています。そのうち、企業と消費者間の取引は約4兆元(約80兆円)が見込まれ、「eコマース」市場の急速な発展が期待されています。
■国家統計局によると、「eコマース」による小売売上高は、今年の4月までの年初来累計で0.9兆元となり、前年同期比+40.3%増と公表されました。小売売上高全体に占める割合は、2010年の約3%から2014年には約11%に拡大しました。 「eコマース」の拡大は、スマホやインターネットの普及拡大に後押しされています。

【ポイント2】拡大の背景は、利便性向上

配送網整備などの投資も拡大へ
■「eコマース」は、中国のような広大な国では、消費者の利便性の向上に大きく寄与しています。特に農村部では、商品の選択肢が広がり、農作物の出荷などでは、時間短縮や売上増などのメリットがあることが「eコマース」拡大の背景となっています。
■ 「eコマース」拡大による物流の変化は、配送網の整備などの企業の投資を促し、関連業界を含めた雇用拡大などの経済効果が期待されています。

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【今後の展開】「インターネットプラス」など政策との融合による促進へ

■政府は「インターネットプラス」推進を方針に
政府は、インターネットなどの情報技術(IT)を製造業などの既存産業と融合して産業革新を進める「インターネットプラス」推進を、今年の活動方針に掲げました。IT産業の育成・発展は、「新常態」の実現に向けた主要な政策の柱の一つとなっています。

■「自由貿易試験区」などでの貿易促進策とも融合
また政府は、自由貿易試験区での「eコマース」を通じた貿易には、関税手続きを簡素化するなどの推進策を講じています。現代版シルクロードの構築を目指す「一帯一路」政策でも、関係国との貿易を「eコマース」によって促進することが期待され、「eコマース」市場のさらなる発展が期待されます。

(2015年5月28日)

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