米雇用統計で失業率は4.2%へと大きめに低下 雇用者数は21万人増もテーパリングは加速へ

2021/12/06

米雇用統計で失業率は4.2%へと大きめに低下

雇用者数は21万人増もテーパリングは加速へ

【ポイント1】雇用者数は21万人増
市場予想を下回る

■米労働省が12月3日に発表した11月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月から21万人増加し、55万人程度の増加を見込んでいた市場予想を下回りました。

■業種別の内訳では、前月に経済再開を受けて大きめに増加した小売業で雇用が減少しました。

【ポイント2】失業率は4.2%に低下
テーパリング加速へ

■一方、失業率は4.6%から4.2%へと大きめに低下しました。

■今回の雇用統計では雇用者数と失業率がまちまちの内容となっていますが、総じて雇用の回復持続が示されており、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で検討すると述べている資産買入れ縮小(テーパリング)の加速と整合的な内容となっています。

【今後の展開】オミクロン型がインフレに及ぼす影響に注目

■3日の市場で米国株は下落しました。新型コロナウイルスのオミクロン型への懸念が残る中でも、パウエル議長が金融緩和縮小に前向きな姿勢を見せていることから、これまで大きく上昇していたハイテク関連銘柄を中心に弱い動きとなっています。

■今後は市場がFRBによるテーパリング加速を織り込んだ後に、再度株式は上昇に向かうと見られます。リスクとしては、新型コロナウイルスの感染再拡大によって物流が滞るなどして、インフレがさらに加速することが挙げられます。そうした場合には景気が減速する中でもFRBによる利上げに関する議論が高まり、リスク資産に悪影響が及ぶ可能性があります。

(2021年12月6日)

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