米雇用統計で雇用者数は53万人増と好調 雇用回復持続でテーパリング開始と整合的な内容
米雇用統計で雇用者数は53万人増と好調
雇用回復持続でテーパリング開始と整合的な内容
【ポイント1】雇用者数は53万人増
過去分は大きめに上方修正
■米労働省が11月5日に発表した10月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月から53万人増加し、45万人程度の増加を見込んでいた市場予想を上回りました。また、前月以前の雇用者数は+24万人と大きく上方修正されています。
■業種別の内訳では、経済再開の本格化に伴い小売やホテル・レストラン、教育などで増加が目立ちました。
【ポイント2】失業率は4.6%に低下
労働参加率の回復は鈍い
■失業率は4.8%から4.6%へと低下しました。今回の雇用統計では雇用の回復持続が示されており、米連邦準備制度理事会(FRB)が11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で決定した資産買入れ縮小(テーパリング)と整合的な内容と言えます。
■一方、経済活動や学校が再開しても雇用市場から離れた労働者の戻りは限定的で、労働参加率は前月から横ばいでした。
【今後の展開】労働者の雇用市場への戻りが利上げを巡る議論に影響
■5日の市場で米国株は上昇し、主要指数はそろって過去最高値を更新しました。今後も経済再開の動きが続くことによって景気や企業業績が回復するに従い、株式市場は上昇基調を維持すると見られます。
■リスクとしては、新型コロナウイルスの再拡大によって経済再開の動きが遅れることや、逆に経済再開の本格化によってより速いペースでの金融緩和縮小が意識されることなどが挙げられます。特に、パンデミックを受けて雇用市場から
離れた労働者の戻りが鈍いままだと、賃金の上昇ペースが速まりインフレリスクにつながりかねないため、利上げに関する議論が高まることも考えられます。
(2021年11月8日)
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