上昇しない長期金利下で堅調なS&P500、NASDAQ 7月4日にコロナ独立宣言。ポストコロナ時代へ

上昇しない長期金利下で堅調なS&P500、NASDAQ


【ポイント1】S&P500、NASDAQが高値更新
NYダウは6月中旬から戻り基調に

■米国株式市場は、NASDAQが6月29日、S&P500が30日に最高値を更新しました。ハイテク株が堅調に推移していることが背景です。NYダウは6月中旬から戻り基調となっています。

【ポイント2】上昇しない長期金利が追い風
インフラ投資の超党派上院議員が合意

■ハイテク株が堅調に推移しているのは、米景気が今後もしっかり推移するとの見通しが維持されながら、長期金利の上昇が止まったことで、バリュエーション面での懸念が低下したことが要因です。こうした状況に至ったのは、6月22日の米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が利上げを急がないとの議会証言により市場の早期利上げ懸念が和らいだこと、また、バイデン大統領がインフラ投資で超党派の上院議員との合意に至ったことなどが背景です。

【今後の展開】7月4日にコロナ独立宣言。ポストコロナ時代へ

■今後は、経済の正常化が進む中で、株式市場の上昇も緩やかになると予想されます。

■バイデン大統領は、7月4日の米独立記念日にワクチン接種の進捗を鑑みてコロナ禍からの立ち直りを「コロナ独立宣言」とする予定です。米国は名実ともにポストコロナ時代へ入ることになります。資産購入の縮小(テーパリング)は年末ないしは来年早々にも開始される見通しで、歴史的な量的緩和政策は正常化に向かい、長期金利も緩やかに上昇すると思われます。また、ここまで驚異的な回復を見せてきた米国の企業業績も生産コストの上昇等が想定され、利益率は次第に低下する見通しです。米国株式市場は、上昇基調を続ける見通しですが、長期金利の緩やかな上昇基調のもと、業績の伸びに準じた上昇に収れんしていくと予想されます。

(2021年7月1日)

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