アジア・オセアニアのリート市場は横ばい 経済再開期待から堅調な推移へ

アジア・オセアニアのリート市場は横ばい

【ポイント1】5月はほぼ横ばい

 

■2021年5月のアジア・オセアニアのリート市場はほぼ横ばいとなりました。現地通貨ベースでみた5月のアジア・パシフィック・リート指数(除く日本)のリターンは+0.0%、シンガポールは▲2.9%、香港は+2.0%、オーストラリアは+1.1%でした。

■また、円ベースでみたアジア・パシフィック・リート指数(除く日本)のリターンは+0.4%、シンガポールは▲2.1%、香港は+2.5%、オーストラリアは+1.2%となり、為替効果はプラスとなりました。

【ポイント2】シンガポールリートが軟調

■5月のシンガポールでは新型コロナウイルス変異株の市中感染が複数確認され、ソーシャルディスタンス規制や入国制限が強化されたことで景気回復期待が後退し、リート市場も軟調に推移しました。5月26日の開始が予定されていた香港とのトラベルバブル(感染が落ち着いている国・地域間で相互に隔離なしの一般渡航を認める制度)は延期されました。香港リート市場は、国内総生産(GDP)や小売売上などが堅調で、国内景気の回復が好感されて上昇しました。豪州リート市場は、資源価格の上昇などを受けた想定を上回るペースでの国内景気の回復を背景に底堅く推移しました。

【今後の展開】経済再開期待を背景に堅調な推移へ

■各国の大規模な金融・財政政策やコロナワクチンの普及などから景気は回復傾向にあります。今後も経済再開の恩恵、相対的に高い配当利回りからアジア・オセアニアのリート市場は堅調に推移すると予想します。

■シンガポールリート市場は、今後国内の新規感染者が落ち着くとともに、経済正常化期待が高まる展開を予想します。足元の市中感染増加を受けて、渡航制限やソーシャルディスタンス規制強化など、徹底した感染抑制対応がなされていることから、今まで通り感染の流行は短期で抑え込まれる可能性が高いとみています。また、国内の新規感染者が落ち着き、規制が緩和されるとともに経済正常化が進むとみています。香港リート市場は、内需の回復とともに堅調な推移を予想します。豪州リート市場についても、良好なファンダメンタルズの下、堅調な推移を予想します。

(2021年6月10日)

印刷用PDFはこちら↓

アジア・オセアニアのリート市場は横ばい 経済再開期待から堅調な推移へ

関連マーケットレポート

2021年6月9日 主要な資産の利回り比較(2021年5月)

2021年6月2日 豪州準備銀行は金融政策を据え置き

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会