中国の『国慶節』消費は好調

中国の『国慶節』消費は好調

『国慶節』とは中国の建国記念日(10月1日)で、中国における主要な祝日の一つです。『国慶節』を祝う休暇は毎年10月1日を含む一週間程度の大型連休になります。今年は中秋節(旧暦8月15日)も重なったため、例年より1日多い、8日までの8連休となりました。新型コロナウイルスの感染拡大による経済停滞からいち早く立ち直った中国では、国内旅行が活発になるなど、『国慶節』連休の消費が好調でした。

【ポイント1】『国慶節』の国内旅行者数は予想を上回る回復

延べ6億人以上が旅行

■中国文化・観光省によると、8日間の『国慶節』連休中に、中国の国内旅行者数は延べ6億3,700万人、国内観光収入は4,665億6,000万元(約7兆3,000億円)に達しました。国内旅行者数は前年の79%水準、国内観光収入は70%水準にまで回復しました。

■今年の国内旅行者数は、同省が事前に予想していた、延べ5億5,000万人を大きく上回りました。中国の国内観光市場の回復は予想よりも強かったといえます。

【ポイント2】『国慶節』連休の消費は好調

1日当たりの売上高は前年比5%増

■中国商務省によると、『国慶節』連休の間、中国全土で小売・飲食企業の売上高は約1兆6,000億元(約25兆円)に達しました。また、1日当たりの平均売上高は、前年比で4.9%増となりました。

■コロナショック後初めての大型連休となった『国慶節』連休には、飲食、観光、娯楽、ショッピングなど各方面で消費が堅調に回復した模様です。

【今後の展開】中国の消費は持ち直し、他国に先駆けて景気回復が続く

■中国は、徹底した防疫措置により新型コロナウイルスの封じ込めに成功し、経済活動の再開に伴って、4‐6月期以降景気が回復局面にあります。生産や投資に比べて出遅れていた消費も、『国慶節』の連休期間の回復にみられるように、徐々に持ち直してきたと思われます。

■国際通貨基金(IMF)が13日に発表した世界経済見通しによると、2020年の世界経済は▲4.4%のマイナス成長が見込まれているなか、中国経済は+1.9%のプラス成長が予測されています。また、2021年の中国の経済成長率は+8.2%と、世界経済(+5.2%)をけん引すると予測されているように、中国は他国に先駆けて景気回復が続きそうです。

(2020年10月16日)

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