IMF『世界経済見通し』コロナ収束は年後半予想
IMF『世界経済見通し』コロナ収束は年後半予想
国際通貨基金(IMF)は『世界経済見通し』(World Economic Outlook)として中期的な予測を毎年2回、通常は4月と10月に発表しています。また1月と7月にアップデート版を発表しています。IMFは、前回1月から3カ月で世界は劇的に変わったと述べ、2020年は新型コロナの影響から、10年前のリーマン・ショック直後を超えて、およそ100年ぶり、世界大恐慌から後では最大の景気後退になるとの見通しを発表しました。 |
【ポイント1】『世界経済見通し』、2020年は前年比▲3.0%
1930年代の世界大恐慌から後では最大の景気後退を予想
■14日に発表された国際通貨基金(IMF)の『世界経済見通し』は、2020年の世界経済の成長率が前年比▲3.0%と、1930年代の世界大恐慌から後では最悪の景気後退になるとの見通しを発表しました。先進国は、新型コロナ感染拡大が激しい米国、欧州を中心に大幅な落ち込みとなり、同▲6.1%となりました。新興国は同▲1.0%となりました。新型コロナの感染が早い段階でピークを迎え収束の兆しがみえる中国やインドはプラス成長が予想されていますが、中南米が大幅なマイナスとなっています。
【ポイント2】感染拡大防止措置の影響と不確実性の高さを懸念
■先進国では、米国や欧州が感染拡大阻止のために大規模な都市封鎖の措置をとっていることから、大幅な落ち込みとなりました。欧州が最も厳しく、日本は相対的に小幅な落ち込みとなりました。
■新興国では、アジア圏がプラス成長を維持する国・地域もあり相対的に小幅な悪化となる一方で、中南米諸国などアジア圏以外では大幅な悪化が予想されています。
【今後の展開】感染拡大が順調に収束すれば2021年は+5.8%成長へ
■IMFは、「新型コロナの影響は類をみないものであり、今回の下方修正は感染拡大を阻止するための大規模封鎖などの結果である」と述べています。今後の経済動向、経済の見通しは、感染拡大の規模や期間、収束のペースによると考えられます。
■IMFの基本シナリオは、この4~6月期が景気の最悪期で、2020年後半から経済活動は徐々に回復に向かい、2021年の世界経済は+5.8%に急回復するというものです。日本も来年は3.0%のプラス成長に回復すると見込まれています。ただし、IMFは感染拡大の長期化や再発などから、経済見通しのリスクは下向きであると指摘しています。新型コロナの早期の収束が望まれます。
(2020年4月15日)
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