2019年のリート市場の振り返り 長期金利低下を背景にリートは軒並み上昇
2019年のリート市場の振り返り 長期金利低下を背景にリートは軒並み上昇
【ポイント1】リートはグローバルに上昇
■2019年のグローバル・リート市場は、世界的に金融緩和が広がり長期金利が低下したことなどから、軒並み上昇しました。
■グローバル・リートの年初来騰落率は、現地通貨ベースで+22.3%の上昇となっています。円ベースでも+21.7%上昇しています(12月23日時点)。
【ポイント2】各地域とも2桁上昇
■2019年のリート市場の騰落率(円ベース)を地域別でみると、各地域で二ケタの上昇となるなど、リート市場は堅調に推移しています。
■日本(Jリート)市場は、長期金利が低水準で推移する中、好調な不動産市況や相対的に高い配当利回りを求める需要に支援され、+23.5%となりました。
■米国市場は、米連邦準備制度理事会(FRB)による3度の利下げなどを受けて+21.5%となりました。
■アジア・パシフィック(除く日本)は、+17.7%上昇しました。シンガポールが+24.0%、オーストラリアは+17.9%と堅調でした。香港は、長期化するデモの影響のため年後半に軟調となりましたが、+5.7%上昇しました。
■欧州市場は出遅れていましたが、9月に欧州中央銀行(ECB)による金融緩和再開などを受けて急反発し、+25.6%となりました。
【今後の展開】長期金利上昇は緩やか、景気回復と低金利環境がリートを支援
■FRBは利下げの打ち止めを示唆するとともに、利上げを急がない姿勢も示しており、当面政策金利を据え置く見通しです。また、米中貿易交渉も第1段階の合意に至り、世界経済回復への制約が和らぐことから、景気は2020年にかけて緩やかな持ち直しが期待されます。長期金利は、景気の持ち直しとともに緩やかに上昇するとみられますが、FRBをはじめとする中央銀行の低金利政策が引き続き支援材料となり、2020年もリート市場は底堅く推移するとみられます。
(2019年12月25日)
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