世界の「投信マネー」(2019年9月)米株へ一時回帰するも、再びMMF、債券へ

2019/10/02

 

世界の「投信マネー」(2019年9月)米株へ一時回帰するも、再びMMF、債券へ

流入超過額は956億ドルと引き続き高水準

■9月の投信マネーは全体で+956億ドル(前月+1,254億ドル)と引き続き高水準の流入超でした。「MMF」は+546億ドル(同+1,313億ドル)と流入超過額が大幅に縮小し、「債券」も+326億ドル(同+470億ドル)と縮小しました。一方、「株式」は+32億ドル(同▲517億ドル)と流入超となりました。

株式ファンドは9月半ばまで「米国」が大幅流入超

■9月は中旬にかけて大きな変化がありました。株式ファンドは9月4日~17日の合計で336億ドルの流入超でした。「MMF」は同▲100億ドル、「債券」は同+120億ドルで、「株式」へ回帰する動きが鮮明となりました。中心は「米国」で同+380億ドルでした。一方、「アジア(日本を含む)」、「欧州」、「新興国」は流出超でした。これは、米中閣僚級協議の再開が発表されたこと、マクロ指標が堅調であったこと、トランプ大統領が中国との暫定的な貿易合意を検討すると発表されたことなど、米国景気の先行きに対する安心感が広がったことが背景です。しかし、9月下旬にかけては、トランプ大統領の弾劾を巡る動きや米中対立が再び激化するのではとの懸念などから再び流出超に転じました。

米国景気が明るさを増し、米中協議の進展期待が膨らめば、株式へ回帰する可能性はある

■債券ファンドは、「先進国」が+304億ドル(同+515億ドル)と9カ月連続の流入超です。中心は「北米」で+223億ドル(同+347億ドル)です。「新興国」も+23億ドル(同▲45億ドル)の流入超でした。中心は「GEM」で+19億ドル(同▲38億ドル)です。9月半ばまで米長期金利が上昇する中、「北米」の流入超過額は減少しましたが、下旬にかけて長期金利が低下する中、再び流入超過額が増加しました。

■今後は、引き続き「MMF」と「北米」債券ファンドを中心に資金流入が継続すると思われます。ただ、9月中旬のように、米国景気の明るさが確認されたり、米中貿易協議の進展期待が膨らめば、株式へ回帰する可能性があることがわかりました。10月の米中閣僚級協議、米金融政策が引き続き注目されます。

(2019年10月 2日)

印刷用PDFはこちら↓

世界の「投信マネー」(2019年9月)米株へ一時回帰するも、再びMMF、債券へ

関連マーケットレポート

2019年10月 1日 投資環境の見通し(2019年10月号)

2019年 9月25日 2019年10月の注目イベント 米中貿易協議と米金融緩和の行方に注目

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
三井住友DS マーケット・レポート   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ