米景気鈍化を示唆する雇用統計(2019年8月)米中関税引き上げの影響もありFRBは利下げ継続へ
米景気鈍化を示唆する雇用統計(2019年8月)
【ポイント1】予想を下振れた雇用者数
■2019年8月の米非農業部門雇用者数は前月比13.0万人増となり、ブルームバーグ集計による市場予想(16.0万人増)を下回りました。
■また、前月と前々月に合わせて2万人の下方修正が入りました。これにより、雇用者増は3カ月平均が15.6万人に、6カ月平均は15万人となりました。昨年の20万人強の増加ペースと比較すると、減速傾向が表れています。
【ポイント2】賃金はしっかりと上昇
■8月の失業率は3.7%と、3カ月連続で同一水準となりました。
■一方、賃金は前年同月比3.2%増、前月比0.4%増と、いずれも予想を上回りました。
■景気が緩やかにペースダウンすると見られる中、労働市場は引き締まっているため、今後も緩やかな賃金上昇が期待できます。
【今後の展開】FRBは、市場の予想通り、9月に追加利下げへ
■6日の米国金融市場では、株式、国債、米ドル共に、ほぼ横ばいで引けました。8月の雇用統計の内容が強弱まちまちだったほか、同じ日に、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長がスイスの講演で、「景気拡大を維持するため引き続き適切に行動する」と表明し、市場が期待する9月の追加利下げを否定しない内容だったため、金融市場への影響が限定的なものになったと見られます。
■FRBをはじめ世界の中央銀行は、落ち着いたインフレのもとで景気失速を回避するため金融緩和に動いていますが、これが当分続くと見られることから、低金利環境が続くと予想されます。そのため、長期金利は低水準で推移し、投資適格社債やリート市場への追い風は続くと期待されます。
(2019年9月9日)
印刷用PDFはこちら↓
米景気鈍化を示唆する雇用統計(2019年8月)米中関税引き上げの影響もありFRBは利下げ継続へ
関連マーケットレポート
2019年9月6日 主要な資産の利回り比較(2019年8月)
2019年9月6日 吉川レポート(2019年9月)米中対立再燃を受けたシナリオ再検討
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。
三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会