インド株式市場は月下旬に反発(2019年8月後半) インド政府の景気支援策等を好感

インド株式市場は月下旬に反発(2019年8月後半)

【ポイント1】8月の株式市場はもみあい

■8月のインド株式市場は、米中貿易摩擦の激化や国内景気減速への警戒感などから軟調な動きが続きましたが、月下旬に反発し、もみあう展開となっています。インド政府は23日、外国人投資家に対する追加課税案の撤回や様々な景気支援策を発表しました。株式市場はこれを好感し、週明けの26日には、米中貿易摩擦の激化からアジア市場が大幅に下落するなかでも、急反発しました。その後は再び上値の重い展開となっています。代表的な株式指数であるSENSEXの8月のパフォーマンスは29日現在小幅安ですが、信用格付けの格下げがあった銀行株が大幅に下落するなど銘柄間格差が大きくなっています。

【ポイント2】インド政府が景気支援策を打ち出す

■インド政府は23日、7月の予算案に盛り込んでいた外国人投資家に対する追加課税案を撤回したほか、国営銀行への資本注入、住宅金融への追加の流動性供給、自動車の購入促進策などの景気支援策を発表しました。減速している景気を浮上させるため、金融、住宅、自動車などセクターごとに的を絞った対策を打ち出しました。また、インド政府は28日、直接投資に関する外資規制の一部緩和を決定しました。

【今後の展開】政策支援により景気持ち直しへ

■インド株式市場は7月以降軟調に推移していますが、一方で株価バリュエーションの割高感は相当程度払しょくされたと考えられます。また、これまで外国人の売りを誘引した外国人投資家に対する追加課税案が正式に撤回されたことで、今後売り圧力が弱まり、株式の需給が改善することが期待されます。インド準備銀行の追加利下げに加え、政府の景気支援策が打ち出されたことで、年度後半の景気持ち直しへの見通しから、株式市場は底堅く推移すると期待されます。

(2019年8月30日)

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