再び下落した中国株式市場 米中対立が激化、当面は不安定な展開

再び下落した中国株式市場 米中対立が激化、当面は不安定な展開

20190807as1

【ポイント1】7月の中国株はやや軟調

■7月の中国株式市場はやや軟調な展開となりました。月前半に中国の景気減速懸念が再燃したことや、ハイテク企業を中心とする新市場「科創板」の22日開設を控えて、既存株の換金売りが入ったことなどが重石となりました。代表的な株式指数の上海総合指数は、前月末の米中首脳会談を好感して月初に3,000ポイントの大台を回復したものの、その後景気減速懸念から反落しました。月末にかけては、米利下げ観測や米中通商協議への期待などから小幅に戻す展開となりました。

【ポイント2】米国の制裁関税第4弾を契機に米中対立が激化

■8月1日にトランプ大統領が中国製品に対する制裁関税第4弾の発動を表明したことを契機に米中関係の混迷度が増しています。5日に米国が中国を為替操作国に認定、中国は米国からの農産物購入の一時停止を発表しました。両国の対立が一段と激化したことで、世界の株式市場はリスク回避の動きが広がり、波乱の展開となるなか、中国株式市場も調整しています。

【今後の展開】当面は不安定な展開

■米中対立の一段の激化を受けて、グローバル景気の冷え込みが懸念されることからリスク回避の動きが強まりやすく、中国株式市場は当面不安定な展開が見込まれます。下方修正のペースが弱まる傾向にあった企業業績予想が、プラスに転じる時期が見通しにくくなってきたことも相場の重石となりそうです。ただし、減速傾向にある中国経済については、財政支出発動余地があり、景気の腰折れは想定していないことから、株式市場が大崩れする可能性は小さいとみています。

(2019年08月07日)

印刷用PDFはこちら↓

再び下落した中国株式市場 米中対立が激化、当面は不安定な展開

関連マーケットレポート

2019年08月06日 人民元安をきっかけに金融市場の変動拡大
2019年08月02日 トランプ大統領の対中追加関税表明を受けた米国金融市場

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会