利下げ局面での米国株式市場 景気後退が避けられれば「株高・金利上昇」

利下げ局面での米国株式市場 景気後退が避けられれば「株高・金利上昇」

【ポイント1】金融緩和期待から株式市場は堅調

史上最高値を相次いで更新する米国株式市場

■米国株式市場は、米連邦準備制度理事会(FRB)による予防的な利下げに対する期待が高まり、堅調に推移しています。主要株価指数は7月15日に、NYダウが2万7,359.16ドル、S&P500種指数が3,014.30ポイント、ナスダック総合指数が8,258.19ポイントと、史上最高値を更新しました。

【ポイント2】利下げと業績(景気)の関係に注目

株式市場は業績見通しの悪化を一旦織り込もう

■一方、業績の先行きを見るリビジョン・インデックスは大幅に悪化しています。S&P500種ベースのリビジョン・インデックス(4週移動平均)は7月11日現在で▲25.3%と6週間連続で悪化しており、今後の業績見通しに対して慎重さが増しています。株式市場は、業績見通しの悪化を一旦は織り込むと見られ、上値が重くなる可能性があります。今後は、利下げと業績(景気)の関係に注目する必要がありそうです。

【今後の展開】景気後退が避けられれば「株高・金利上昇」

■過去の利下げ局面を整理しました。1995年、1998年は景気後退が回避され、株価は上昇し、10年国債利回りも上昇しました。一方、2001年はITバブルの崩壊で、また、2007年は住宅バブルの崩壊でそれぞれ景気後退局面となり、株価は下落、10年国債利回りは低下しました。FRBの利下げ後、景気後退が避けられた場合は「株高・金利上昇」、景気後退に陥った場合は「株安・金利低下」という極めて妥当なパターンが示されています。米国株式市場は、今後の金融政策と景気回復の確かさが試される展開となりそうです。

20190718us1

(2019年7月18日)

印刷用PDFはこちら↓

利下げ局面での米国株式市場 景気後退が避けられれば「株高・金利上昇」

関連マーケットレポート

2019年07月12日 『FOMC議事要旨』、7月末に予防的利下げへ

2019年07月09日 吉川レポート(2019年7月)G20サミットを受けた経済・金融シナリオ

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会