インド株式市場は小反落(2019年6月後半) 米国との貿易摩擦を警戒

インド株式市場は小反落(2019年6月後半) 米国との貿易摩擦を警戒

20190626as1

【ポイント1】株式市場は小反落

米国との貿易摩擦を嫌気

■6月のインド株式市場は、主要株式指数のSENSEXが月初に過去最高値を付けた後、小甘い展開となっています。米政府がインドへの関税優遇措置を撤廃したことに対抗して、インド政府が米国からの輸入品への関税を引き上げたことで米国との貿易摩擦が拡大するとの見方が広がり、売りが優勢となりました。20日には米国の利下げ観測の高まりから反発したものの、その後すぐ反落しました。個別銘柄では、米格付け会社ムーディーズの格下げ見通しを受けた個別銀行株が急落し、SENSEX指数の下落を助長しました。

【ポイント2】米印貿易摩擦拡大の懸念

■6月5日にトランプ米政権がインドの保護主義政策を批判して関税優遇措置を撤廃したことを受けて、インド政府は16日、米国からの輸入品に対する関税を引き上げました。米印間でも貿易摩擦が強まる懸念が出てきたところに、米政府がハイテク産業などで働くインド人技術者向けのビザ発給を大幅に減らす計画が報じられました。米国によるビザの発給制限が実現すれば、インドのIT企業は大きな影響を受けるとみられ、今後の帰趨が注目されます。

【今後の展開】7月初旬の予算案に注目

■世界景気の減速観測や原油価格の反発に加え、米国との貿易摩擦拡大への警戒感が当面株式市場の重石となりそうです。一方、7月初旬に公表されるインド予算案ではインフラ整備や雇用対策への期待が高まっています。米国との貿易摩擦が激化するリスクには注意が必要ですが、高い経済成長、金融緩和、政治の安定、海外投資家の資金流入を背景に、中長期的に株式市場は堅調な展開が期待されます。

(2019年6月26日)

印刷用PDFはこちら↓

インド株式市場は小反落(2019年6月後半) 米国との貿易摩擦を警戒

関連マーケットレポート

2019年06月12日 インド株式市場は高値もみあい(2019年6月前半)

2019年06月07日 インドの金融政策:3会合連続の利下げ(2019年6月)

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会