米国の金融政策:ハト派姿勢を強調(2019年6月)「辛抱強く」の文言を削除、将来の利下げを示唆
米国の金融政策:ハト派姿勢を強調(2019年6月)
1名が0.25%の利下げを主張
■6月18日、19日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、市場の予想通り、政策金利であるフェデラルファンド(FF)レートの誘導目標レンジが2.25%~2.50%で据え置かれました。
■なお、投票権を持つ10名のうちセントルイス連銀総裁が0.25%の利下げを主張して反対票を投じました。
状況を注視して「適切に行動」
■声明文では、経済・物価見通しをめぐる不確実性が高まっているとしたうえで、政策金利の判断について「辛抱強くなる」との文言を削除し、状況を注視して「適切に行動する」との文言を追加しました。
■FOMC参加者の経済見通しでは、2019年と2020年のコア物価上昇率の中央値が、FRBの目標である+2%を下回る水準に下方修正されました。
■政策金利予想の中央値については、2019年が3月から不変となった一方、2020年が下方修正され、次の一手が利下げとなることが示唆されました。なお、参加者全17名の2019年の分布をみると、利下げ予想が3月の0名から8名に増加しました。
【今後の展開】7月末のFOMCで利下げ実施の可能性
■2019年の政策金利予想は中央値では現状から横ばいでしたが、インフレが弱く、米中貿易摩擦などの不確実性が残るなか、今後、年内の利下げ支持者が増える可能性があります。早ければ7月末のFOMCで0.25%の利下げが実施されるとみられます。
■今回のFOMCは市場予想を上回るハト派的な内容と受け止められ、19日は米長期金利が低下、米ドルが下落し、米国株式は上昇しました。ドル円は米ドル安を受けて円高が進んでいます。
(2019年6月20日)
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