高齢化社会における『資産形成』
高齢化社会における『資産形成』
金融庁は6月3日、人生100年時代を見据えた『資産形成』を促す報告書をまとめました。長寿化によって会社を定年退職した後の人生が延びるため、95歳まで生きるには夫婦で約2千万円の金融資産の取り崩しが必要になるとの試算を示しました。公的年金制度に頼った生活設計だけでは資金不足に陥る可能性に触れ、「つみたてNISA」と「iDeCo」などを活用した長期・積立・分散型の資産運用の重要性を強調しました。 |
【ポイント1】金融庁は人生100年時代の『資産形成』を促す報告書を公表
長期・積立・分散型の資産運用の重要性を強調
■金融庁は6月3日に人生100年時代を見据えた『資産形成』を促す報告書をまとめました。長寿化によって会社を定年退職した後の人生が延びるため、毎月の不足額が約5万円発生する場合には、95歳まで生きるには夫婦で約2千万円の金融資産の取り崩しが必要になるとの試算を示しました。
■公的年金制度に頼った生活設計だけでは資金不足に陥る可能性に触れ、報告書では早い時期から生涯の老後のライフ・マネープランを検討する必要性や長期・積立・分散型の資産運用の重要性を強調しました。
税制優遇、補完関係
■長期・積立・分散投資により、長期に亘る『資産形成』を支援する制度として、我が国には税制面で一定の優遇が行われている「つみたてNISA」と「iDeCo」 があるとしました。
■ライフイベントに応じて引出すことが可能な「つみたてNISA」 と、年金制度として所得控除が認められている「iDeCo」 の両者を併用することで、住宅購入などの計画的に準備が必要な支出や、病気、事故、失業などの予想外の支出への備えをしつつ、老後に向けた『資産形成』が可能となります。よって、お互いが補完しあう関係として活用が進むことが望ましいとしています。
【今後の展開】長期・積立・分散型の資産運用による金融資産の増加が望まれる
■米国では75歳以上の高齢世帯の金融資産はここ20年ほどで3倍ほどに伸びている一方、わが国の同年代の高齢世帯の金融資産はほぼ横ばいで推移しており、対照的な動きとなっています。米国では、金融市場の好調さに加え、「401kプラン」等の制度的な後押しもあり、現役期から『資産形成』を行うことによって、高齢世帯の資産が増加していったと推察されています。人生100年時代を見据え、我が国でも早い時期から「つみたてNISA」と「iDeCo」 を活用した長期・積立・分散型の資産運用による金融資産の増加が望まれます。
(2019年6月10日)
印刷用PDFはこちら↓
関連マーケットレポート
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。
三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会