市場予想を上回った米雇用統計(2019年3月) 雇用が安定している中、賃金は落ち着いた伸び

市場予想を上回った米雇用統計(2019年3月) 雇用が安定している中、賃金は落ち着いた伸び

【ポイント1】雇用者数は19.6万人増20190408us1

雇用情勢は安定

■2019年3月の非農業部門雇用者数は前月比19.6万人増となり、ブルームバーグ集計による市場予想の17.7万人増を上回る増加となりました。また、2月分も同2.0万人増から同3.3万人増に上方修正されました。

■3月の雇用者数増加は、2月分が天候要因により大幅に落ち込んだ反動などがあると見られますが、3カ月平均では18.0万人増となり、雇用情勢は安定していると考えられます。

【ポイント2】失業率は横ばい20190408us2

賃金の伸びは鈍化

■3月の失業率は前月比横ばいの3.8%となりました。

■一方、賃金は前月比0.1%増、前年同月比3.2%増となり、それぞれ2月分の同0.4%増、同3.4%増から伸び率が鈍化しました。

■米国の企業業績の伸びが鈍化すると予想される中、19年の賃金上昇ペースは、緩やかになると見られます。

【今後の展開】4-6月にかけて景気は底入れの可能性

■雇用統計が公表された4月5日の米国市場では、株価、債券価格とも上昇(利回りは低下)しました。良好な雇用統計を受けた米景気の減速懸念後退を好感し株価が上昇したものの、物価上昇が引き続き緩やかになると見込まれ、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ停止が長期化すると予想されることから、長期債が買われました。

■製造業の生産調整等の影響が、雇用鈍化などを通して、内需へも波及しつつあることから、しばらく経済指標の悪化が続く可能性があります。ただし、1-3月の景気減速を受けた調整がこの程度にとどまっていることから、今後の調整はそれほど深刻なものにはならないと見られ、少なくとも4-6月には景気の底入れが確認できる可能性が高いと考えられます。

(2019年4月8日)

印刷用PDFはこちら↓

市場予想を上回った米雇用統計(2019年3月) 雇用が安定している中、賃金は落ち着いた伸び

関連マーケットレポート

2019年04月04日 吉川レポート(2019年4月)継続する「綱引き」状態

2019年04月01日 2019年度の経済と金融市場

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会