低成長が続くブラジル経済(2019年3月) ボルソナロ政権の構造改革の成否に注目

 

 

 

低成長が続くブラジル経済(2019年3月) ボルソナロ政権の構造改革の成否に注目

【ポイント1】低成長ながら回復が続く

2018年は1.1%成長20190327lt1

■ブラジルの2018年10-12月期の実質GDP成長率は前年同期比+1.1%と、7-9月期の同+1.3%から減速したものの、8四半期連続のプラス成長となりました。

■2018年の実質GDP成長率は前年比+1.1%と、2017年と同じ伸び率でした。ブラジル経済は回復基調にありますが、2018年は5月にトラック運転手の大規模ストライキが発生し、物流網がまひした影響や、10月の大統領選挙をめぐる不透明感が重荷となり、低成長にとどまりました。

【ポイント2】インフレは安定推移

中銀は政策金利据え置き20190327lt2

■一方、2019年2月の消費者物価は前年同月比+3.9%と、3カ月連続で4%を下回るなど、足元のインフレ率は落ち着いています。

■ブラジル中央銀行(中銀)は3月20日の金融政策委員会で、8会合連続で政策金利を6.50%に据え置きました。中銀の予想では、2019年のインフレ率は物価目標中央値を下回る見通しです。

【今後の展開】2019年は成長率が加速しよう

■2018年の実質GDP成長率は力強さを欠きましたが、トラック運転手のストライキなど特殊要因の影響もあったと考えられます。低インフレ環境の継続やボルソナロ新政権への期待を背景に、家計や企業の景況感が改善していることから、2019年は内需が牽引役となり、成長率が加速するとみられます。また、インフレ率が中銀の物価目標中央値をやや下回るなか、中銀は当面政策金利を据え置くとみられます。

■今後は、2019年1月に誕生したボルソナロ新政権の構造改革の成否が注目されます。最重要課題である年金制度改革には憲法改正が必要であり、議会運営上のハードルが高いものの、財政健全化はブラジル経済の一段の発展には不可欠なもので、市場の注目が集まっています。

(2019年3月27日)

印刷用PDFはこちら↓

低成長が続くブラジル経済(2019年3月) ボルソナロ政権の構造改革の成否に注目

関連マーケットレポート

2019年03月01日 世界の「投信マネー」(2019年2月)

2019年01月22日 『IMF世界経済見通し』は2回連続で下方修正

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会