インドの株式市場はやや調整(2019年2月後半)原油価格の反発などを嫌気、株式市場は中期的には上昇へ

 

インドの株式市場はやや調整(2019年2月後半)

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【ポイント1】足元の株式市場は軟調
原油価格の反発や地政学リスクを嫌気

■足元のインド株式市場は軟調な展開となっています。代表的な株式指数のSENSEXは月初旬に上昇したものの、その後、19日まで9営業日連続で下落しました。原油価格が急上昇したため、通貨安や景気減速への警戒感が広がったことに加えて、自動車大手など発表された決算が弱い内容だったことが嫌気されました。更に、パキスタンと領有権を争うカシミール地方で起きた自爆テロにより、インドの警察部隊40人以上が死亡したことで地政学リスクが高まったことも地合いを悪化させました。

【ポイント2】消費者物価上昇率が更に鈍化
次回会合で追加利下げの可能性が高まる

■インドの1月の消費者物価上昇率は前年同月比+2.0%と、2018年12月の同+2.1%から僅かながら更に鈍化し、インド準備銀行の物価目標レンジ(+2~6%)の下限に達しました。2月の金融政策決定会合でインド準備銀行が物価見通しを引き下げたことに加え、4~5月に総選挙を控えていることも考慮すると、次回会合(4月)で追加利下げが行われる可能性が高まったとみられます。

【今後の展開】総選挙を控えて上値が重いものの、中期的には上昇へ

■インド株式市場は、足元で原油価格の上昇や地政学リスクの高まりが嫌気される展開となっていますが、この他にも、総選挙で与党が苦戦するとの見方が根強いことが投資家を慎重にさせていると考えられます。ただし、高い経済成長、インフレの鈍化、金融政策の緩和、インドルピーの安定など、株式市場を取り巻く環境は基本的に良好です。株式市場は短期的には上値の重い展開が見込まれますが、総選挙の結果に関わらず経済政策に大きな変更はないとみられ、中期的には上昇に転じると期待されます。

(2019年2月20日)

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