2024年FOMCメンバーの金融政策スタンス
2024年FOMCメンバーの金融政策スタンス
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- 金融政策を議論し決定するFOMCでは、7名の理事と5名の地区連銀総裁が投票権を保有する。
- 投票権を持つ12名のうちハト派は3名、タカ派は2名、中立7名と比較的バランスの取れた陣容に。
- 米金融政策を見通す上で、常任メンバーの発言は重要、タカ派メンバーのトーンの変化も要注意。
金融政策を議論し決定するFOMCでは、7名の理事と5名の地区連銀総裁が投票権を保有する
米国の連邦準備制度(The Federal Reserve System)は、1913年の連邦準備法によって設立された中央銀行制度です。その最高意思決定機関が、ワシントンにある連邦準備制度理事会(The Board of Governors of the Federal Reserve System)で、一般的にFRB(The Federal Reserve Board)という略称で呼ばれています。FRBは連邦政府の1機関であり、7名の理事(うち議長1名、副議長1名、金融監督担当副議長1名)で構成されています。
FRBは、その下に12の地区連邦準備銀行(地区連銀)を抱え、業務に関する広範な監督権限を付与されています。なお、金融政策の決定に関する議論は、連邦公開市場委員会(FOMC)で行われ、7名の理事と5名の地区連銀総裁が投票権を持ちます。理事とニューヨーク地区連銀総裁は、常に投票権を持つ常任メンバーですが、4名の地区連銀総裁は、輪番制により1年の任期となります。
投票権を持つ12名のうちハト派は3名、タカ派は2名、中立7名と比較的バランスの取れた陣容に
つまり、投票権を持つ5名の地区連銀総裁のうち、ニューヨーク地区連銀総裁を除いて、4名が毎年入れ替わることになります。2023年は、シカゴ、フィラデルフィア、ダラス、ミネアポリスの各地区連銀総裁がメンバーでした。2024年は、クリーブランド、リッチモンド、アトランタ、サンフランシスコの各地区連銀総裁が、新たに投票権を持つメンバーとなります。
2024年のFOMCで投票権を持つメンバーについて、最近の発言などを踏まえ、金融政策のスタンスを、ハト派(景気重視)、中立、タカ派(物価重視)の3つに区分したものが図表1です。投票権を持つ12名のうち、ジェファーソン副議長、クック理事、クグラー理事の3名がハト派、ボウマン理事とリッチモンド地区連銀のバーキン総裁の2名がタカ派、残り7名が中立と、2024年のFOMCは比較的バランスの取れた陣容となっています。
米金融政策を見通す上で、常任メンバーの発言は重要、タカ派メンバーのトーンの変化も要注意
米金融政策については、最初の利下げ時期とその後の利下げペースが、引き続き焦点となっていますが、1月2日時点のフェデラルファンド(FF)金利先物市場では、最初の25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利下げは3月で、年6回の利下げが織り込まれていました。ただ、その後は米雇用や物価の底堅さが確認されたことから、2月27日時点で最初の利下げは6月、年3回の利下げの織り込みとなっています(図表2)。
弊社は6月に最初の利下げが行われ、その後は四半期に1回のペースで、年3回の利下げを予想しています(利下げ幅は25bp)。先行きの米金融政策を見通す上では、雇用や物価指標に加え、FOMCメンバーのうち、特にパウエル議長ほか常任メンバーの発言は重要な手掛かりとなります。また、タカ派メンバーの発言で、タカ派色が弱まれば、利下げは近いと読み取ることもできます。
(2024年2月29日)
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