来週の金融市場見通し(2026年5月11日~2026年5月15日)
■来週の見通し
米国とイランの間で、戦闘終結に向けた協議が続いています。イランは7日に米国が提示した合意案を協議したと報道されていますが、同日にはホルムズ海峡周辺で交戦が発生し、緊張が高まっています。こうした動きを受け、WTI原油は1バレル=90ドル台後半の高値圏で推移しています。5月14~15日にはトランプ大統領の訪中と習近平国家主席との米中首脳会談も予定されています。その前に戦闘終結で合意できるかどうか、注目されます。
◆株価 :中東情勢に注目
今週の日本株は、上昇しました。6日にトランプ大統領が、米公共放送PBSのインタビューで、14〜15日に予定する米中首脳会談の前にイランとの戦闘終結に合意する可能性があると語ったことなどを受けて、紛争終結への期待が高まったことが好感されました。加えて、6日に米半導体大手AMDや英半導体設計大手アームが好決算を発表したことも株価の押し上げ要因となりました。
来週は、米国とイランが実際に戦闘終結で合意すると、一段と株価が上昇する可能性があります。ただ、7日には、米軍がイラン軍による攻撃を受けたと発表するなど、戦闘終結で合意できるかは予断を許さない状況です。足元は、戦闘終結への期待が高まっていますが、交渉が決裂した場合は、失望感から株価が大きく調整する恐れがあり警戒が必要です。
◆長期金利 :中東情勢にらみ
今週の長期金利は、米国とイランが戦闘終結に向けて覚書を準備し、合意に近づいていると伝わったことを受け、戦闘終結への期待が高まり、原油高を背景とするインフレ懸念がやや和らいだことから、低下する動きになりました。
来週も引き続き中東情勢をにらみながら方向感を探ることになりそうです。トランプ米大統領がインタビューで、米中首脳会談の前にイランとの戦闘終結に合意する可能性があると語るなど、戦闘終結に向けた協議が進展した場合には、インフレ懸念が一段と後退し、長期金利に低下圧力がかかる可能性があります。8日発表の米雇用統計を受けた米金融市場の動きに加え、10年国債、30年国債入札、また日銀金融政策決定会合の「主な意見」(4月27~28日)なども確認したいところです。
◆Jリート :下値の目途を探る
今週のJリート市場は、下落しました。トランプ大統領が翌週に控える米中首脳会談前にイランとの終戦協議で合意する可能性を示唆したほか、米英半導体関連企業の好決算を背景に日経平均株価は大幅上昇しましたが、Jリート市場は軟調地合いが継続しました。今週末の分配金利回りは4.923%(東証上場REITの予想分配金利回り、QUICK算出)となりました。
来週は、長期金利の動向や米国とイランの和平交渉の動向を確認しつつ、下値の目途を探る展開を想定しています。米、イラン双方が新たに攻撃を受けたと報じられているものの、終戦に向けた協議は継続されている模様で、和平交渉が進展すると原油価格や長期金利が低下する可能性があり、Jリート市場を下支えすることが期待されます。
◆為替:引き続き中東情勢にらみ
今週のドル円は、日本政府・日銀が4月30日に続き5月6日にも追加の為替介入を実施した可能性が意識されたことから、一時155円ちょうど近辺まで下落しました。また、米国とイランの協議についても戦闘終結に向け進展するとの思わくも広がり、「有事のドル買い」が弱まったこともドル円を下押ししました。ただ、その後は戦闘終結への期待感が薄れ、上昇する動きになりました。
来週は米国とイランの戦闘終結をめぐる協議に進展があるかに左右されそうです。トランプ米大統領がインタビューで、米中首脳会談の前にイランとの戦闘終結に合意する可能性があると語りましたが、ホルムズ海峡で攻撃の応酬が続いていると伝わっており、不透明な状況が続く可能性があります。来日するベッセント米財務長官が為替に言及するかも注目されます。
◆米国株 :中東情勢や経済指標に注目
今週の米国株は、中東情勢に関する報道を受けて、一進一退の動きとなりました。半導体株は堅調な動きとなりました。AMDが発表した1〜3月期決算で純利益が前年同期比95%増となったことが好感され、同社株が急上昇したことが背景です。
来週は、米国とイランが実際に戦闘終結で合意すると、一段と株価が上昇する可能性があります。ただ、7日には、米軍がイラン軍による攻撃を受けたと発表するなど、戦闘終結で合意できるかは予断を許さない状況です。足元は、戦闘終結への期待が高まっていますが、交渉が決裂した場合は、失望感から株価が大きく調整する恐れがあり警戒が必要です。8日の雇用統計や12日の消費者物価指数などの経済指標発表も相場を動かす材料となりそうです。
■来週の注目点
景気ウォッチャー調査(4月)5月13日(水)発表
3月の景気ウォッチャー調査では、現状判断DI(ディフュージョン・インデックス)は前月差-6.7ポイント、先行き判断DIは同-11.3ポイントといずれも大きく低下しました。中東情勢の緊迫化によるエネルギー価格の高騰を背景に、家計・企業のマインドが悪化した模様です。
4月の家計・企業マインドは弱い動きが継続すると見込まれます。中東情勢の先行きが見通しにくいなかで、エネルギー価格の高騰、石油関連製品の不足が家計・企業のマインドを下押しするとみられます。
米消費者物価指数(4月)5月12日(火)発表
3月の米国の消費者物価指数(CPI)は、総合指数が前年比+3.3%と大幅に上昇しました。ガソリンなどのエネルギー価格の高騰により、約2年ぶりの高い伸びとなりました。変動の大きい食品・エネルギーを除くコア指数は同+2.6%と、小幅に伸びが加速しています。
4月の総合指数は前年比+3.8%、コア指数は同+2.7%程度の上昇が予想されています。原油価格の高騰はエネルギー価格だけでなく、輸送費や梱包費など、幅広い財・サービス価格に波及し、今後の物価を持続的に押し上げる可能性があります。
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