来週の金融市場見通し(2026年3月2日~2026年3月6日)
■来週の見通し
高市首相が日銀の植田和男総裁と16日に会談した際、「追加利上げに難色を示していた」と伝えられたこと、また日銀の審議委員の後任に、金融緩和や財政出動に積極的な『リフレ派』とみられる佐藤青山学院大学教授と浅田中央大学名誉教授を充てることを受けて、日銀の早期利上げ観測が後退しています。また、米国とイランは26日に核協議を開きましたが、合意には至りませんでした。来週は日米の中央銀行高官の発言や中東情勢などを確認しながら、米雇用統計の発表を待つことになりそうです。
◆株価 :上値の重い動きか
今週の日本株は、上昇しました。高市政権が、利上げに慎重な考えをもつとみられる候補者を日銀の審議委員に任命する人事案を発表したことを受けて、日銀の利上げペースが緩やかになるとの見方が強まり、買いが優勢となりました。半導体株は、米国時間25日のエヌビディアの決算発表への期待感から発表前は上昇しましたが、発表後は利益確定売りが優勢となりました。
来週は、上値の重い動きが見込まれます。日経平均株価は、1か月で5千円程度上昇しており、上昇ペースが急であることから、利益確定売りが強まるとみられます。米国がイランに対して武力行使に踏み切るなど、投資家心理を悪化させるイベントをきっかけに、調整幅が大きくなる恐れがあり警戒が必要です。ただし、海外投資家の資金流入が増加すると、上昇する展開も想定されます。
◆長期金利 :一進一退
今週の長期金利は、高市首相が追加利上げに難色を示していたとの報道や、政府が25日に国会に提出した次期日銀審議委員の人事案などを受け、日銀の早期利上げ観測は後退したものの、日銀の利上げペースが鈍化すれば将来的なインフレ圧力の高まりにつながるとの警戒感などから、上昇する動きになりました。
来週は、一進一退の動きになりそうです。日銀の早期利上げ観測が後退していることは、長期金利の押し下げ材料です。ただ、日銀の利上げが後手に回り、インフレ圧力が強まるとの見方は金利の押し上げ材料です。中東情勢が緊迫化した場合には、安全資産とされる国債を買う動き(金利低下)が広がる可能性があります。3月2日に予定されている氷見野日銀副総裁の挨拶や10年国債、30年国債入札なども確認したいところです。
◆Jリート :上値の重い展開か
今週のJリート市場は、高市首相が消費税減税の財源に赤字国債を発行しない方針を改めて示したことなどが好感され、週半ばまで上昇したものの、週末にかけては利食い売りなどに押され上げ幅を縮小して引けました。今週末の分配金利回りは4.611%(東証上場REITの予想分配金利回り、QUICK算出)となりました。
来週は、長期金利の動向や地政学リスクを注視しつつ、上値の重い展開を想定しています。3月は金融機関の年度末決算に向けた売りが出ることが見込まれ、Jリート市場の下押し圧力となりそうです。一方、高市政権が掲げる「責任ある積極財政」を金融市場は好感しており、長期金利の上昇が落ち着いている点は安心材料です。また、値下がりした局面では下値を拾う買いなども期待されることから下値も限定的になると見込んでいます。
◆為替:やや不安定な動き
今週のドル円は、高市首相が追加利上げに難色を示していたとの報道やリフレ派の次期日銀審議委員の人事案を受けて円売りが膨らみ、ドル円は上昇しました。ただ、2月の東京都区部・消費者物価指数(CPI)の上昇率は前月から縮小したものの、市場予想は上回り、日銀の利上げ路線は継続するとの見方から、上げ幅を縮小する動きになりました。
来週のドル円はやや不安定な動きになる可能性があります。日銀の早期利上げ観測は後退しているものの、利上げ路線は継続するとの観測は、ドル円の上昇を抑制しそうです。中東情勢が緊迫化した場合には、有事のドル買いが広がることも想定されます。米連邦準備理事会(FRB)高官や氷見野日銀副総裁の発言も確認したいところです。
◆米国株 :経済指標や中東情勢に注目
今週の米国株は、人工知能(AI)が既存のビジネスを脅かすとの警戒感が重しとなり、上値の重い動きとなりました。半導体株は、25日のエヌビディアの決算発表への期待感から発表前は上昇しましたが、発表後は利益確定売りが優勢となりました。なお、同社の決算は売上高・利益ともに市場予想を上回る好決算でした。
来週は、経済指標や中東情勢が注目されます。来週は、企業の景況感や雇用に関する経済指標の発表が予定されています。米経済の底堅さを示す内容になると、株価を押し上げる可能性があります。中東情勢については、米国とイランの交渉が続いていますが、交渉が決裂し、米国がイランに対して武力行使をした場合、投資家心理が悪化し、株価を押し下げる恐れがあります。AIに関する動向も、引き続き相場を動かす材料となりそうです。
■来週の注目点
消費動向調査(2月)3月4日(水)発表
消費動向調査によると、1月の消費者態度指数は前月差+0.7ポイントと2か月ぶりに上昇しました。消費者態度指数を構成する4つの項目全てが前月から上昇しました。食料品価格の上昇率鈍化などを背景に「暮らし向き」に関する指数が前月差+0.9ポイント改善したほか、「雇用環境」も前月差+0.9ポイント改善しました。また、株高を受けた資産価格の上昇も消費者マインドの改善に寄与したとみられます。なお、内閣府は消費者マインドの基調判断を「持ち直している」で据え置きました。
米雇用統計(2月)3月6日(金)発表
米雇用統計によると、1月の非農業部門雇用者数は前月差13.0万増と、昨年12月の同4.8万人増から伸びが加速しました。教育・ヘルスケア分野の雇用者数の増加が押し上げ要因となりました。
2月の非農業部門雇用者数は前月差6.0万増、失業率は4.4%程度を想定しています。前月に続いて教育・ヘルスケア分野の雇用者数は増加が見込まれますが、その他の分野の雇用者の増加は限定的になるとみられます。
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