来週の金融市場見通し(2025年8月4日~2025年8月8日)
■来週の見通し
米連邦準備理事会(FRB)は事前の予想通り5会合連続で政策金利を据え置きました。パウエルFRB議長は9月会合での利下げについて「何も決定していない」と、慎重な姿勢を示しました。他方、日銀は、食料品の値上がりなどを受けて物価見通しを上方修正する一方、利上げについては4会合連続で見送りました。来週は、1日の米雇用統計を受けた米金融市場の動きに加え、日米の金融政策会合、米国の大手IT企業の決算発表など今週の大きなイベントの影響も確認しながら方向感を探ることになりそうです。
◆株価 :好決算でも売られる可能性
今週の日本株は、日米の関税交渉の合意を好感して前週に大きく上昇した反動で、利益確定売りが優勢となりました。7月31日に決算を発表した東京エレクトロンが、通期の業績見通しを増益予想から減益予想に下方修正し、同社の株価が急落したことも重しとなりました。
来週は、ソフトバンクグループなど国内主要企業の決算発表が注目されます。これまでの決算発表後の主要企業の株価は振るわない動きとなっています。東京エレクトロンに加え、業績見通しが市場予想を下回った信越化学工業も大きく下落しました。好決算となったアドバンテストについても、決算発表後の株価は軟調な動きとなっています。足元の株価はすでに好決算を織り込んでいる可能性があり、決算内容が良好であっても株価は下落する恐れがあり、警戒が必要です。
◆長期金利 :一進一退
今週の長期金利は低下する動きになりました。日銀が利上げを見送るとの観測から、長期金利は低下して始まりました。FRBが利上げに慎重な姿勢を示しましたが、日銀が事前の予想どおり政策金利を据え置くとともに、植田日銀総裁が利上げの是非やタイミングを慎重に判断する姿勢をあらためて示したことなどから、その後は1.55%前後での一進一退の動きが続きました。
来週も一進一退の動きになりそうです。FRBが早期利下げに慎重な姿勢を示していることは、米金利とともに国内金利の押上げ材料ですが、日銀が早期利上げに慎重な姿勢を示していることから、国内金利の一段の上昇は限定的とみられます。ただ、財政拡張的な政策への警戒が強まると、金利に上昇圧力がかかることも想定されます。10年国債、30年国債入札も確認したいところです。
◆Jリート :一進一退の中、上値を探る
今週のJリート市場は、相対的な出遅れ感や利回り面の高さに着目した買いが広がったことに加え、日銀が政策金利を据え置いたことを受けて安心感が広がり、堅調な動きになりました。分配金の増額に積極的なリートが増える中、投資資金の流入が続いていることも相場を押し上げた格好です。今週末の分配金利回りは4.715%(東証上場REITの予想分配金利回り、QUICK算出)。
来週は、日米長期金利の動向や米関税政策の影響を睨みながら、一進一退の中、上値を探る展開を想定しています。米政権の関税政策は投資家心理の重しとなるものの、長期金利の上昇が一服する中、4%台後半の予想分配金利回りに着目した一定の買いが下支え要因になると見込まれます。ただ、大きく上昇してきていることから、利益確定売りに押される場面もありそうです。
◆為替:ドル高・円安余地は限定的
今週のドル円相場は、ドル高・円安が進行しました。日米の金融政策に関する会合では、政策金利の据え置きが決定されましたが、会合後の記者会見における植田日銀総裁とパウエルFRB議長の発言により、両中央銀行が今後の政策変更に慎重であるとの受け止めが広がりました。これにより、1ドル=150円台後半と、約4か月ぶりとなる水準まで、ドル高・円安が進行しました。
来週のドル円相場は、1日に公表される米雇用統計の結果を受けて、週初は値動きが激しくなる可能性がありますが、その後は追加的な材料に乏しいなかで、レンジ圏での推移が予想されます。米雇用統計が堅調な結果であれば、ドル高・円安の流れが続く可能性がありますが、日本政府の口先介入への警戒もあり、さらなるドル高・円安余地は限定的とみられます。
◆米国株 :決算に注目
今週の米国株は、軟調な動きとなりました。FRBの会合後の会見でパウエル議長が今後の利下げに慎重な姿勢を示したことが株価を押し下げました。また、医薬品関連企業の決算が市場予想を下回り、関連銘柄の株価が下落したことも重しとなりました。半導体株は、クアルコムの業績見通しが市場予想を下回り、同社の株価が急落したことから、軟調な動きとなりました。
来週は、半導体企業AMDなどの決算発表が相場を動かす材料となりそうです。今週の市場は半導体企業の株価下落を受けて、指数にも売り圧力がかかりました。AMDの株価は最近数か月で約2倍に上昇しており、決算内容が良好であっても株価は下落する可能性があります。下落幅が大きくなると指数の重しとなる恐れがあります。アムジェンなど医薬品関連企業の決算も注目されます。
■来週の注目点
毎月勤労統計調査(6月)8月6日(水)発表
毎月勤労統計調査によると、5月の名目賃金(現金給与総額)は前年比+1.4%の増加と、前月(同+2.0%増)から伸びが縮小しました。また、実質賃金は同-2.6%と、5か月連続で減少しました。振れの大きい特別給与が減少したほか、物価の高止まりが実質賃金を下押ししました。
6月の実質賃金はマイナス幅を縮小する見込みです。今年の春闘での賃上げ率の適用が広がることで、一般労働者の所定内給与の伸びが拡大するほか、夏季賞与の増額により特別給与も増加したとみられます。
米ISM非製造業景況指数(7月)8月5日(火)発表
6月の米供給管理協会(ISM)非製造業景況指数は50.8と、2か月ぶりに拡大し、好不調の境目となる50をやや上回りました。雇用指数は低下しましたが、企業活動指数や新規受注指数が上昇するなど、米国のサービス業の底堅さを示す結果でした。
7月のISM非製造業景況指数は51.5程度と、持ち直しが続くと予想されます。関税政策によるコスト高は重しとなるとみられますが、大幅に悪化していた消費者マインドも最悪期を脱しており、非製造業の景況感も緩やかに改善すると見込まれます。
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