来週の金融市場見通し(2025年3月31日~2025年4月4日)

■来週の見通し


米国のトランプ大統領は、輸入自動車に25%の追加関税を課すと発表しました。日本を含む全ての国・地域が対象で、4月3日に発効します。乗用車が現在の2.5%から27.5%に、トラックが25%から50%になります。期限は設けず、恒久的な措置となります。インフレが再燃するとの警戒や米国の自動車メーカーにも打撃となることなどから、早晩引き下げられるとの見方も出ていますが、しばらくは発効後の内外経済への影響を見極めることになりそうです。3月の日銀短観なども確認したいところです。

◆株価 :不安定な動きか

来週の株価は、不安定な動きが予想されます。今週の株価は、トランプ大統領が4月3日から自動車に25%の追加関税を課すと発表したことで、下落しました。同大統領は、4月2日から相手国と同水準まで関税率を引き上げる相互関税の詳細を発表する予定で、その内容を受けて株価は下落する恐れがあります。ただし、自動車の関税引き上げや相互関税の導入は土壇場で見送りや規模縮小が決まる可能性もあり、その場合株式市場は好感しそうです。

◆長期金利 :居所を探る

日銀の利上げ観測がくすぶる中、投資家が積極的な売買を手控えたことや、トランプ政権の関税政策がインフレ再燃を引き起こすとの見方から米金利が上昇したことを受けて、長期金利は一時1.59%と16年5か月ぶりの水準まで上昇しました。ただ、40年国債入札は順調な結果で需給不安は和らいでいます。来週は10年国債入札で期初の需給を確認したいところです。関税政策の影響も確認しながら居所を探ることになりそうです。

◆為替:底堅い

ドル円は、底堅い展開となりそうです。3月の東京都消費者物価指数の伸びが市場予想比で上振れたことなどを背景に、日銀が継続的に金融緩和を調整していくとの観測が高まっています。一方で、トランプ大統領が、輸入車に対して一律で25%の追加関税を表明するなど、貿易戦争拡大への懸念が高まっています。それを受け、米長期金利は再び上昇に転じており、ドル円は、上値余地は限定的とみられるものの、底堅い展開が見込まれます。

◆Jリート :上値を探る

Jリート市場は、日米長期金利の動向を睨みながら、上値を探る展開となることが見込まれます。足元、米政権による自動車への追加関税発動をめぐり、市場ではリスク回避圧力が強まっています。また、日銀は経済・物価の不確実性に警戒感を示したものの、利上げスタンスを維持しています。自己投資口取得など資本コストを意識したリート運営の広がり、株式の先安観や変動性の高まりによるJリート市場への資金流入に期待したいところです。

来週の注目点

日銀短観(3月調査) 4月1日(火)発表

日銀短観の2024年12月調査では、大企業・全産業の業況判断DI(ディフュージョン・インデックス、業況が「良い」と答えた企業の割合-「悪い」と答えた企業の割合)は+23%ポイントと、前回調査から横ばいとなりました。生産が回復した自動車や素材業種を中心に製造業の景況感が改善した一方、非製造業では、食料品の価格上昇を受けた消費者マインドの低迷などを背景に、小売や宿泊・飲食サービスといった消費関連業種で景況感が悪化しました。

2025年3月調査の業況判断DIは小幅に低下することが見込まれます。物価高に起因する消費者マインドの低迷が続いているほか、トランプ米政権の関税政策を巡る不透明感が製造業の景況感を悪化させると予想されます。

米雇用統計(3月) 4月4日(金)発表

米雇用統計によると、2月の非農業部門雇用者数は前月差+15.1万人増と、前月(同+12.5万人増)から加速しました。生産部門の雇用者は増加に転じたほか、サービス部門も加速するなど、民間セクターを中心に雇用環境の底堅さを示す結果でした。

3月の非農業部門雇用者数は前月差+13.5万人増、失業率は4.1%、平均時給は前月比+0.3%増程度を想定しています。民間セクターでの雇用の底堅さが維持されるのかという点に加え、トランプ政権下で進められている連邦政府職員の削減が公的セクターの雇用にどの程度影響を及ぼすのかが注目されます。

 

 

 

 

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