来週の金融市場見通し(2024年12月23日~2024年12月27日)
■来週の見通し
米連邦準備理事会(FRB)は連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げを決めました。利下げは織り込み済みでしたが、来年の政策金利の見通しを引き上げるとともに、経済情勢によっては利下げを一時的に停止する可能性を示唆しました。他方、日銀は政策金利を据え置きました。植田総裁が追加利上げをめぐり「もう1ノッチ(1段階)ほしい」と述べたことなどから、早期利上げ観測がやや後退しています。材料に欠ける中、植田総裁の講演や内外の経済指標を確認しながら、居所を探ることになりそうです。
◆株価 :底堅い動きか
来週の日本株は、日米の金融政策に関する会合を通過した安心感から底堅い動きが見込まれます。日銀が利上げを見送り、今後も慎重に利上げを進める方針を示した一方、FRBは利下げを決めましたが、今後の利下げに慎重な姿勢を示したことから、円安が進行しました。来週も円安水準が継続すれば、株価を支えそうです。米国株と比較した割安感が注目され、海外投資家の資金が流入すると、日経平均株価が4万円を目指す展開も想定されます。
◆長期金利 :居所を探る
FRBの利下げペースが減速するとの観測から米長期金利が上昇し、国内の長期金利も上昇する動きになりました。ただ、日銀会合を受けて、早期利上げ観測が後退したことから、週末は低下する動きになりました。来週は年末モードの中、米長期金利の動きに加え、植田日銀総裁の発言や東京都区部消費者物価指数(CPI)などを確認しながら、居所を探ることになりそうです。来年度の国債発行計画も確認したいところです。
◆為替:上値余地模索
ドル円は、じりじりと上値を模索する展開となりそうです。市場の想定通りFOMCでは利下げが実施された一方、日銀は利上げを見送りました。また、植田日銀総裁が、今後の賃金動向について更なる情報が必要、などと発言したことで日銀の利上げ観測が後退しました。それらを受け、ドル円は来週も上値余地を模索する動きが続きそうです。とはいえ、日本の通貨当局から口先介入が相次いでおり、相応にドル円の上値を抑える要因となりそうです。
◆Jリート :一旦反発か
来週のJリート市場は、日米中央銀行の金融政策決定会合の結果を受け、一旦反発することが見込まれます。日銀会合では利上げの見送りに加え、植田総裁が来年の春闘や米国経済の動向を見極めたいとの考えを示したことで、来年1月の利上げ観測が後退しました。Jリートは日銀の追加利上げを織り込む形で軟調な状況が続いていたことから、利上げ観測の後退を好感し、一旦は反発すると見込まれます。
■来週の注目点
東京都区部・消費者物価指数(12月) 12月27日(金)発表
11月の東京都区部・コア消費者物価指数(コアCPI、生鮮食品を除く総合)は前年比2.2%上昇と前月(同1.8%上昇)から加速しました。政府による電気・ガス代補助の縮小を受けてエネルギー価格が押し上げられたほか、食料品の値上げも続きました。
12月のコアCPIは伸びが拡大すると見込まれます。電気・ガス代補助の終了により、エネルギー価格が一段と上昇することに加え、賃金コストの上昇を価格転嫁する動きが続くと見込まれます。
米消費者信頼感指数(12月) 12月24日(火)発表
11月の米国の消費者信頼感指数は、前月差2.1ポイント上昇し、2023年7月以来の高水準となりました。大統領選でのトランプ氏の勝利を受けて、景気や労働市場に対する楽観的な見方が広がりました。
12月の消費者信頼感指数は、前月差1.3ポイント程度の上昇が予想されています。インフレが鈍化傾向にあり、雇用も底堅さを維持するなかで、消費者マインドは好調を維持すると見込まれます。
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