来週の金融市場見通し(2024年12月9日~2024年12月13日)
■来週の見通し
パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が、米経済は利下げを開始した9月に考えていたよりも強く、さらなる利下げに慎重になる可能性があると述べましたが、12月会合での利下げ観測は根強い状況です。他方、日銀内部では消費者物価上昇の大きなリスクがない限り、早期の利上げは避けるべきとの見方が強まっていると伝えられ、12月会合での利上げは不透明な状況です。来週は6日の米雇用統計を受けた米金融市場の動きに加え、内外の経済指標を確認しながら翌週の日米金融政策会合を待つことになります。
◆株価 :週明けは荒い値動きか
週明けの日本株は、6日に発表される米雇用統計を受けて、荒い値動きになりそうです。雇用統計が米労働市場の底堅さを示す内容になると、株式市場は好感する可能性があります。ただ、労働市場の底堅さを受けて、FRBが12月の会合で利下げを見送るとの観測が高まると、株価を下押しする可能性もあります。東証プライム市場では、先週まで3週間連続で個人投資家が買い越しとなっており、個人投資家の資金流入は相場を支えそうです。
◆長期金利 :徐々に様子見姿勢も
植田日銀総裁が、追加利上げ時期について「近づいている」と述べたと伝わったことから、長期金利は上昇して始まったものの、日銀内部で早期の利上げは避けるべきとの見方が強まっているとの観測や、米利下げ継続観測などから、上げ幅を打ち消す動きになりました。来週は、米雇用統計で米利下げ観測が強まると、金利低下圧力がかかる可能性があります。ただ、翌週に日米金融政策会合を控え、徐々に様子見姿勢も広がりそうです。
◆為替:雇用統計次第で波乱含み
ドル円は、11月の米雇用統計の結果次第では、変動性が高まる可能性があります。足元、12月の米利下げ観測が根強い一方、日銀の12月利上げの可能性も相応に高く、ドル円は上値の重い地合いが継続しそうです。とはいえ、トランプ氏の政策が実行されれば、インフレ再燃のリスクが大きいとの見方がある中、米雇用統計が市場予想比で上振れ、労働市場の堅調さを示唆すれば、12月の米利下げ観測が後退しドル円は再び上昇する可能性があります。
◆Jリート :下値の目途を探る
来週のJリート市場は、日米の長期金利の動向を見つつ、下値の目途を探る展開が想定されます。米国の長期金利は低下したものの、12月の日銀金融政策決定会合で追加利上げが決定される可能性もあります。また、日米政府が打ち出す政策次第で日米長期金利に上昇圧力がかかることも考えられます。東証REIT指数(配当なし)が8月に付けた年初来安値(1621.75ポイント)で踏み止まれるのか注目したいところです。
■来週の注目点
日銀短観(12月調査) 12月13日(金)発表
日銀短観の2024年9月調査では、大企業・全産業の業況判断DI(ディフュージョン・インデックス、業況が「良い」と答えた企業の割合-「悪い」と答えた企業の割合)は前回調査対比+1ポイント上昇し、景況感は緩やかに改善しました。家計の所得環境の改善やインバウンド需要の増加が追い風となり、小売や宿泊・飲食サービスを中心に非製造業が改善をけん引しました。
12月調査の業況判断DIは小幅に低下することが見込まれます。海外経済の減速が製造業の景況感の重しとなるほか、消費者マインドの低迷により非製造業も弱含むことが予想されます。
米消費者物価指数(11月) 12月11日(水)発表
10月の米国の消費者物価指数(CPI)は、総合指数が前年比2.6%上昇、変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数は同3.3%上昇と、ともに市場予想通りの結果でした。
11月のCPIは、総合指数が前年比2.7%、コア指数が同3.3%程度の上昇が予想されます。底堅い雇用環境などを背景に米景気が堅調であるため、高インフレの収束には時間を要するとみられます。
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